プラハの天文時計…(4) ― 2015年10月14日 06時51分29秒
今日の主役は、天文時計本体の下に取り付けられた暦表盤です。
写真は1978年、プラハで開かれた国際切手展を記念してチェコで発行された、美しい切手。
(金色に赤と緑がよく映えています)
実物はこちら。画面をクリックすると細部まで確認できます。
(ウィキメディアコモンズより)
最外周の細かい文字は、その日の守護聖人や祝日を書き込んだ教会暦、内側の彩色画は、四季の農事や十二星座を円形に配したものです。この暦表盤も時計仕掛で、1年かけてゆっくり回転します(ただし中央のプラハ市章を描いた円盤は、周囲から独立しており、常に直立不動)。
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ところで、例によって記事を書くにあたって、ウィキペディアの「プラハの天文時計」の項(http://tinyurl.com/oyxyw78)を真っ先に読んだんですが、そこにはこの暦表盤について、ちょっと矛盾することが書かれていました。
すなわち、最初のほうには「おそらく1490年ごろに暦表盤の追加と時計本体へのゴシック彫刻による装飾が施された。」とあるのに、後のほうを見ると、「時計の下の暦表は1870年に追加された。」とあります。いったいどっちが正しいんでしょうか?
次いで英語版Wikipedia(https://en.wikipedia.org/wiki/Prague_astronomical_clock)を見たら、前者については全く同じ記述になっていましたが、後者については、「時計の下の暦表盤は1880年に複製に置き換えられ、オリジナルはプラハ市博物館に保管されている」とありました。日本語版はたぶん英語版の直訳でしょうが、この箇所は(事実誤認を含む)古い版を参照したのだと思います。
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では、英語版が全面的に正しいかというと、その外部ソースには、またちょっと違ったことが書かれていて、なんだか混沌としています。
(暦表盤の謎を追って、この項つづく)
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