桜花咲く下に 賢治たたずみ… ― 2008年03月30日 18時04分56秒
いっとき所用で外出。ついでに古書店で賢治本を2冊。
今の状況では、しばらく積ん読です。
が、こういう神経が昂ぶっているときは、ちらりと目にした言葉が尋常ならざる色彩を帯び、深遠な啓示のように思えたりします。
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過去情炎
截られた根から青じろい樹液がにじみ
あたらしい腐植のにほひを嗅ぎながら
きらびやかな雨あがりの中にはたらけば
わたくしは移住の清教徒(ピユリタン)です
雲はぐらぐらゆれて馳けるし
梨の葉にはいちいち精巧な葉脈があつて
短果枝には雫がレンズになり
そらや木やすべての景象ををさめてゐる
………
(『春と修羅』第一集 所収)
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いっとき若やいだ心になって、こんなにも詩句がこころに染み入るというのは、季節のせいもあるのでしょう。
「春と修羅」のタイトルも只ならぬ感じです。
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