星の句、星の歌2011年08月15日 06時12分42秒



天空を滔々と流れる大河。Richard Schurig 編の星図アトラス、Tabulae Caelestes continentes Omnes Stella Caeli (Leipzig, 1886)より。

   ★

昨日の朝日俳壇・朝日歌壇から。

○スカル漕ぐ天の川へと転舵せり  (さいたま市)菊池洋子

○おほぐま座の森の神話を解きあへば
   迷ひこみたりふたりの銀河   (宇部市)乃間保歌

それぞれ大串章選・第一句、高野公彦選・第四首として挙がっています。

ふた月ばかり前、船で銀河をさかのぼる中国の故事や、たむらしげる氏の「銀河の魚」のことなどを話題にしたのを、菊池氏の句を見て思い出しました。
江戸期の俳人、井上士朗にも「一棹に舟漕入れよ天の川」という句があるそうですが、菊池氏の句はモダンで、いっそう清新です。

いっぽう乃間氏の短歌。静かな夜の語らいのムードも良いし、見あげる星明かりにすっと魂が吸い込まれるような、一種の浮揚感があって、これまた気持ちの良い歌だと思いました。

俳句の世界では、天の川は初秋の季語。
ちょうど今の季節が銀河鑑賞の適期…なのでしょうが、街中にいるとさっぱりですね。

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