限りなく青い空に心ふるわせ2013年03月30日 11時44分06秒



今日は二連投です。

   ★

飛行家、武石浩玻(たけいしこうは;1884-1913)。
彼が墜落死して、今年でちょうど100年になります。
少年時代、その報に接した稲垣足穂は、終生その経験を反芻し、そこに込められた意味を言葉にしようと努力し続けました。

コメント欄(http://mononoke.asablo.jp/blog/2013/03/22/6755018#c6761843)で、常連コメンテーターのS.U氏は、上の事実を敷衍して、我々の人生にとって大きな意味を持つのは、実は「劇的な体験」よりも、日常の「ふとした体験」なのではないか、だからこそ若い人は感性を研ぎ澄ませて、日々を大事にしてほしいと、卒業の時期にあたってエールを送っています。

そもそも、コメント欄への登場回数が最も多いS.U氏とはいったい何者なのか、疑問に思われる方もいらっしゃるでしょう。氏は現役の物理学者であり、かたわら天文学史に造詣が深く、さらに足穂・賢治の深い読み手でもあるという、まことに得難い人で、私の師匠格にも当たるので、私は若くもなんともないですが、上記のコメントは私自身にも向けられたものと勝手解釈して、明後日からの新年度を迎えたいと思います。

そしてまた、今日は朝日新聞・土曜特別版「be」の記事に触発されて、「旅立ちの日に」をYouTubeで聞きながら、上記コメントを読ませていただいたので、武石の最後の飛行の情景や、それを思い浮かべてワクワクしていた足穂少年の心に思いをはせて、不覚にも落涙しそうになりました。

旅立ちの日に(タンポポ児童合唱団)
  
http://www.youtube.com/watch?v=XA1iZ3wl6uY

S.U氏とともに、私からも若い人たちに祝詞とエールをお送りします。

コメント

_ かすてん ― 2013年03月30日 17時09分15秒

S.Uさん、玉青さん

旅立ちの季節に爽やかなメッセージをありがとうございます。お二方以上に年を食っている私ですが、17歳の時代を思い出すことで感性の錆を少しでも取り払いたいと思いました。

_ S.U ― 2013年03月30日 20時23分12秒

おぉ、本記事でご引用下さるとは。そんな大層なものではありませんが、こんなものでも年に一度を期したものでしたのでありがたい限りです。

 タンポポ児童合唱団の「旅立ちの日に」をありがとうございました。確かに青い空に消えてゆく飛行機を心の目で追った足穂少年の思いがはっきりと私にも浮かびました。この歌声を聴くと、未来が若者たちのものであることはオジさんの議論を待ちません。

 玉青さん、かすてんさん、私のほうこそ「新年度」もどうぞよろしくお願いします。

_ 玉青 ― 2013年03月31日 11時26分05秒

○かすてんさま

>感性の錆を少しでも取り払いたい

本当ですね。
そして同時に錆ならぬ「古色」を加えて、年齢に応じた風格を増すことができたらと思うのですが、私の場合どうも地金がまずいのか、なかなかうまくいきません。これからも、かすてん・S.U両師に付いていっそう精進せねばと、思いを新たにしております。
…と、照れ臭いのでちょっと冗談っぽく書いていますが、でもその思いは真実です。

○S.Uさま

勝手に個人情報を漏洩して申し訳ありません。
S.Uさんは既にこのブログの一部と化した感がありますので、あえてご紹介させていただきました。どうぞ意のあるところをお汲み取りくださいませ。

だいぶ草臥れた翼ではありますが、新年度も精いっぱい老翼を打ち振って、行けるところまで行きますので、よろしくお付き合いください。

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