書斎プチ改造(1)2013年03月12日 07時07分11秒



↑自室です。(気恥ずかしいので写真は小ぶり)

自分の部屋を晒すというのは、少なからず自己愛のにおいがするので、世間一般では慎むべきこととされているかもしれませんが(私がそう思うだけ?)、最近の心模様を綴るために、ここは敢えてお付き合いください。

これまで自室を「理科室風書斎」や「ひとり驚異の部屋」と戯称し、せっせとモノを集積してきました。でも、スペースの関係で、もうこれ以上は増やせないので、あとは配列を工夫するぐらいしかやることがありません。となれば、できるだけ見場(みば)良く見せたいと思うのが人情。そんなわけで、遅ればせながら、この頃「インテリア」ということを意識するようになりました。

でもインテリアのセンスに欠ける私には、何をどうすればいいのか分かりません。そこで、とりあえず「記号的にカッコイイもの」を部屋に置いてはどうかと考えました。モノを増やせないと言いながら、新たにモノを買い込むというのも変ですが、そもそも浅知恵から出発しているので、そういう変なこともやってしまうわけです。

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で、私が最初にイメージした「カッコイイもの」とは、古いタイプライターでした。
(何じゃそりゃ、と思われるかもしれませんが、私にはそれがカッコよく感じられたのです。)

そのイメージ源の1つが、今からちょうど5年前、2008年3月に東大で開幕した「鳥のビオソフィア」展です(参照 http://mononoke.asablo.jp/blog/2008/05/18/3521837)。その一部を構成する「鳥類学者の小部屋」というインスタレーションについて、当時の「東京大学総合研究博物館ニュース(Ouroboros)」は、こんな風に説明しています。

「…中央部には、帝国大学時代の木製のビューローと椅子を設置する。机上に古いタイプライターやステイショナリーなどの雑物を配し、傍らには小石川分館蔵のウェブスター辞書台を置く。ここでは明治時代の鳥類学者の研究室を仮想的に再現してみせる。デスクの上には、小型の剥製標本、鳥類の古写真類などをセットし…」云々。

(鳥類学者の小部屋(部分)。出典:「BRUTUS」2008年8月1日号)

空想上の鳥類学者の机上にタイプライターが置かれていたからといって、私がそれに義理立てする必要はないのですが、当時の印象は非常に強烈なものがあって、私はタイプライターを無性に有難いもの、カッコイイものと思うに至りました。

そして、その印象をさらに強固にしたのが、昨年暮れに亡くなったイギリスの天文家、Sir Patrick Moore で、彼が愛用のタイプライター(1908年ウッドストック社製)をパチパチ叩く姿を映像で見て、あに我が書斎にも置かざるべけんや…の気概を持ったのでした。

(書斎のSir Patrick Moore。出典:http://www.youtube.com/watch?v=jFwZ2ExVpMI。元はBBCの番組のようです。氏の愛機の鮮明な写真はこちらで見ることができます。
http://www.peterossphotography.com/media/e9eebe9a-b7ec-11e1-8a49-c3e987d58418-sir-patrick-moore

(この項つづく)