鉱石都市2013年11月17日 09時52分48秒

フジイキョウコさんの『鉱物見タテ図鑑』に「天空都市」という作品が登場します。
立方体の結晶が重なり合った蛍石の表面を、異世界の街並みに見立てた幻想的な作品ですが、それに魅了されて、私も同じ産地(メキシコ)の蛍石を買いました。


要はフジイさんの二番煎じに過ぎませんが、この際ですから、何でも記事にすることにします。


不思議なフォルムは、透明な光を宿した遠い未来の都市のようでもあり、


中世の堅固な山塞のようでもあります。


薄板界への入り口。


鉱石都市を染める青い夕焼け(ブラックライト照射)。



透き通った夜―。

   ★

この微細な都市の相貌は、本当に見飽きることがありません。
月並みな感想ですが、自然の造形の何と玄妙なことか。

コメント

_ S.U ― 2013年11月18日 16時56分09秒

青い光に包まれた夢のような都市、私はふと、稲垣足穂の師匠の佐藤春夫の書いた「美しき町」を思い出しました。話の内容はもう忘れてしまいましたので、また読みかえしてみたいと思います。
 今は、宮澤賢治のほうで、lanterne di karasuuriの luce azzurra のへんにかかっておりますので、それはまたのちほど。

_ 玉青 ― 2013年11月19日 06時01分30秒

作中の人物が、美しい町に執する気持ちは何となく分かる気がします。
私の場合、理想の世界、理想の国、理想の町、理想の家、理想の部屋…と縮小して、今は「理想の棚」作りぐらいがせいぜいですが…。
でも、その理想の棚に置かれた一片の鉱物を覗き込むと、そこに理想の世界が広がっているなんていうのは、ちょっと面白い入れ子構造かもしれませんね。

>宮澤賢治

おお、有言実行ですね!
そういえば、「銀鉄」の中には「青い光」のイメージがちらちら出てきますね。
単なる連想ですが、イタリア語のazzurroはラピスラズリと語源が同じだそうですから、烏瓜から発する鉱物質の青のイメージが、銀鉄の世界によく反照しているようにも感じられます。

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