ミクロの銀河2017年08月06日 17時51分00秒

「視点の置き所によっては、巨大な銀河もちっぽけな点に過ぎないし、反対に、針の先ほどの物体の中にも、実は広大な宇宙が蔵されているのだ。」

子供はよく、そんなことを夢想します。

まあ、大人になってからも、そんなことを考えていると、一種の現実逃避と嗤われたりしますが、でも「現実」なんて薄皮一枚のもので、そんなに大したものじゃないよ…というのも真実でしょう。(むしろ、薄皮一枚の破れやすいものだから、大切に扱わないといけないのです。)

   ★

宇宙を揺曳する賢治さんや足穂の面影を追って、今日はアンドロメダ銀河を覗いてみました。
ただし、望遠鏡ではなしに顕微鏡で。


これは19世紀に流行った「マイクロフォトグラフ」の復刻品で、他の天文モチーフのスライドとセットになっていました。


カバーグラスの下に見える、米粒の断面よりも小さな四角い感光面。
その黒は宇宙の闇を表わし、中央に白くにじむように見えるのが、直径20万光年を超えるアンドロメダ銀河です。


レンズの向うに見える、遥かな遠い世界。
その光芒は、1兆個の星が放つ光の集合体であることを、我々は知っています。

   ★

望遠鏡を通した像をカメラで撮影し、それを縮小して焼付け、それを再度拡大して覗く。―― リアルな現実からは幾重にも隔てられた、人工的な経験に過ぎないとは言え、いろいろ空想を誘う品であることは確かで、しかも空想力さえ働かせれば、ここから世界の真実を、いかようにでも掴み出すことができるのではないでしょうか。


【参考】

上のスライドと同じセットに含まれていた、満月のマイクロフォトグラフと、マイクロフォトグラフの歴史については、以下の記事で取り上げました。

■驚異の名月(上)(下)
■極微の写真のものがたり

コメント

_ Nakamori ― 2017年08月08日 07時20分07秒

手のひらにのる透明なアクリルボックスの中に、3Dプリンター(のようなもの)を応用して、光り輝く銀河系を表現することはできないでしょうか?星の一点一点を蛍光塗料で作れば、素敵なオブジェの完成!その時はM31だけでなく、M101やM51も入手したいところ。

_ S.U ― 2017年08月08日 09時24分24秒

>子供はよく、そんなことを夢想

 こんなスライドを顕微鏡で覗いていると、同時に自分が宇宙の外から覗かれているような気配を感じることでしょうね。想像すると、ちょっと背中がもぞもぞしてきます。

_ 玉青 ― 2017年08月08日 18時18分36秒

○Nakamoriさま

以前ご紹介したガラスブロックをレーザー加工した銀河模型でも、ライティングによっては光り輝いて見えますね。
(例えば、http://mononoke.asablo.jp/blog/2010/06/15/5163726

まあ、今のところ存在するのは我々の銀河だけで、他所の銀河もズラッと網羅するところまでは行ってませんけれど、そのうちガチャガチャに銀河コレクションシリーズが登場するかもしれませんね!(^J^)

○S.Uさま

>同時に自分が宇宙の外から覗かれているような気配

あ、あります、あります。
何かそんな小説だか、漫画だかがありませんでしたっけ?
そういえば、たむらしげるさんも、似た発想の作品を何度かペンにされていました。(http://mononoke.asablo.jp/blog/2009/10/05/4616282  ←うーん…我ながら昔も似たようなことを書いていますね・笑)

_ S.U ― 2017年08月09日 13時01分00秒

>我ながら昔も似たようなこと
 (笑) いろんな人によって繰り返し現れるイメージなのでしょうね。
 私は、谷山浩子さんの童謡「そっくりハウス」が好きです。

 それから、ご引用記事のコメントの「神よ、せいぜい鍋を焦がさぬよう…」というのも好きです。本当に神様にそろそろ何とかしていただいたほうがよいように思います。

_ 玉青 ― 2017年08月10日 06時16分16秒

本当ですね。
人間の火遊びも十分怖いですが、神の火遊びはもっと剣呑です。

でもひょっとして、神の振舞いも、更に高次の神がどこかでジッと覗いていて、不始末をするとキツイお灸を据えることで、トータルな宇宙のバランスは保たれているのかもしれません。(これぞ「ドラゴンボール的世界観」かも・笑)

_ S.U ― 2017年08月10日 08時15分43秒

>トータルな宇宙のバランス
だとすると、神様の間にも、中間管理職の悲哀のようなものがあって、それで何とか宇宙が回っているのでしょうか。  泣けてきますね・・・

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