ヘリコイド式の「アイピース」2019年06月30日 17時45分25秒

梅雨本番。じめじめとした天気が続きます。
でも、もし私がカエルだったら、「今日はいいお天気だなあ」と、晴れ晴れとした顔で空を見上げるでしょうし、物事はよろず見る角度が大事です…とか何とか。

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記事を書く間隔が開くと、何か大きなネタで書かないといけないようなプレッシャーを感じますが、もちろんそんな必要はないので、今日も小さなネタです。

天文アンティーク趣味も、バーンと迫力のあるモノを揃えて、フィレンツェのガリレオ博物館みたいに飾り立てるのが、ある意味一番の王道なのでしょうが、私の場合はお金も空間もないので、必然的に縮み志向に流れがちです。侘茶志向と言ってもいいし、日本ならではの見立ての文化かもしれません。

例えば、アンティーク望遠鏡を据え付けたいけど、それができないので、アイピース(接眼レンズ)だけ買って、古人の星見生活を偲ぶというのもそうです。まあ、アイピースだけ買っても、どうしようもないのですが、そっと覗けば、その向こうに昔の星空が広がっている…ような気がするのです。

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そうしたレンズ類が、手元にいくつかありますが、これも「古い天体望遠鏡用アイピース」と称して、フランスの人が売っていたもの。


これだけだと、古い望遠鏡用アイピースということで終わってしまいますが、その最大の特徴は、グルグルひねると全体がぐっと伸びる、すなわちヘリコイド式合焦機構を備えていることです。


すでに19世紀にそんな工夫があったのか…というのが、ちょっとした発見であり、驚きです。

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でも、ここにはまだ大きな謎が残っています。
それは他でもない、そもそもこれは望遠鏡用アイピースなのか?…という根本的な疑問です。というのも、この品はもう一つの「アイピース」(↓右側)と抱き合わせだったのですが、そちらは明らかにアイピースには見えないからです。



…となると、ヘリコイド式の方も、カメラとか幻灯機とか、他の光学製品のパーツの可能性もあります。結局、何だかよく分からないのですが、レンズというのはそれだけで面白いものですから、これは分からないまま眺めることにします。たぶん、そのうち謎も解けるでしょう。

【7月3日付記】
先達はまことにあらまほしきものかな。謎はあっという間に解けました。
正体はやっぱりアイピースではありませんでした。
「パリの暇人」さんによる正解は、どうぞコメント欄をご覧ください。