1912年、英国の夜空を眺める(前編)2020年09月19日 17時18分33秒

彼岸の入りを迎え、秋が秋らしくなってきました。今日から4連休。
ばたばたする中でも、ホッと一息つけます。

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昔、鹿島茂さんの古書エッセイに、カタログを見て注文した本の3割が「当たり」なら、野球でいう3割バッターで、古書マニアとしては一流だ…という趣旨のことが書かれていました。たしかに文字情報と、あってもせいぜい1~2枚の写真が添えてあるだけのカタログ記載を見て、真に良い本を見つけるのは至難の業です。この辺は、オンライン注文が普通になった現在でもあまり変わらず、「思ったよりもさらにいい本だった」という嬉しい経験の一方で、現物が届いたらガッカリということも少なくありません。

そういう意味でいうと、私はこのところ打率がいいです。
おそらくそこには古書市場の縮小に伴って、品物がだぶついているという事情もあるので、手放しで喜べない部分もありますが、投資目的ではない、真に本好きの人にとって、これは悪いことではないです。(でも「真に本好きの人」の家族が、同じく本好きならいいですが、そうでない場合はやっぱり喜べないでしょうね。)

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記事に登場しないだけで、最近も天文古書は買い続けています。
そして、「へえ、まだまだ世の中には美しく愛らしい本が多いなあ」と、驚くこともしばしばです。そんな最近の買い物から。



■Walter Biggar Blaikie(著)
 『Monthly Star Maps for the Year 1912』
 The Scottish Provident Institution (Edinburgh)、1912.
 27.5×21.5cm、表題を除き本文28p.

表紙は空色の薄布を張ったボール紙製で、非常にシンプルな造りです。

(1912年9月1日午後10時の星空)

内容は、こういう北の空と南の空がセットになった月ごとの星図と、当月の天体に関するデータが見開きになっていて、


途中に全天星図が挿入されています。

(次回、さらに本の細部を見てみます。この項つづく)