フンボルトの書斎2009年01月11日 20時24分38秒


うっそりと寒い日。ちらちらと白いものも見えました。

 ★

さて、暦の話が地味に続いているので、ちょっと気分転換にカラフルな絵を1枚載せます。

ドイツの偉大な博物学者、アレクサンダー・フォン・フンボルト(1769-1859)の書斎。彼が87歳のときの情景です。(元絵は、エドワルト・ヒルデブラントが1856年に描いた水彩画で、上の画像はそれをカラーリトグラフにしたもの。)

無駄な装飾を排した簡素な書棚やテーブルに、この老学者の趣味がうかがえます。天井まで届く書棚は程よく整理が行き届き、作業テーブルには、地球儀や、読みさしの本、それに何やかんやの資料が山積みです。そして、眼光鋭い主人の足元には、今届いたばかりとおぼしい荷が開けられており、これは老いてなお盛んな、フンボルトの知的活動を表現しているのでしょう。

奥の部屋には、真鍮製の望遠鏡や、鳥の剥製が置かれているのが見えます。大判の書籍は博物図譜の類でしょうか。

うーむ、これは羨ましいですねえ。これもまた理科室風書斎の一つの理想形でしょうか。

■出典:
 Elly Dekker & Peter van der Krogt
 GLOBES FROM THE WESTERN WORLD
 Zwemmer, 1993

コメント

_ mistleyoe ― 2009年01月14日 15時53分36秒

フンボルトの書斎!これはかなりもへぇ~ですね。
いいなぁ。。。この書斎。。。
我が家は寝室に書棚があるのと倉庫に蔵書が。。。
あぁ部屋数はいくつあれば思うような驚異の館が
実現するのでせうか。。。

_ 玉青 ― 2009年01月14日 21時46分53秒

「世界で最も美しい図書館」なんていう話題が以前ありましたが、このフンボルトの書斎は、それに比べてヒューマンスケールというか(にしても広いですが)、いかにもプライベートな空間という感じがいいですね。居心地がよさそうです。

思うような驚異の館は……K氏ならば手のひらの上にも実現できるはず……そう思って、想像力に磨きをかけるしかないかもしれません。天台摩訶止観に依れば、思念の力で浄土をも現出せしむることができるとか。。。

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