博物美、そして博物Bar2011年09月24日 10時39分52秒

記事の間隔が開いています。
例の仕事はまだ途半ばですが、ちょっと気が付いたことをメモ。

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今日の朝刊一面は、ユーロ安の話題と、「ニュートリノは光速を超えた」というセンセーショナルなニュースでした。紙面に載った専門家のコメントは、懐疑的なものが多いようで、今のところ白黒はっきりしない話ではありますが、記者氏も含めて、一般の興味は「すわタイムマシンの実現か!?」というところでしょう。(両者がどう結びつくのか、定かではありませんが。)
今、改めてブラッドベリを読んでいるので、なんとなく懐かしいSF世界を目の当たりにしたような気分になりました。

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さて、本題はこちら。
昨日、仕事の合間にボーっとして(ボーっとする合間に仕事をして、かもしれませんが)、またネットを徘徊。もう何百回も何千回も続けている検索作業によって、だいたいの場所はなじみのような気がしていたのですが、昨日は全く初見のサイトに行き当たりました。

■Vicious Sabrina Archives
 http://vicioussabrina.blog72.fc2.com/

表題のヴィシャス・サブリナというのは、退廃美とヴンダーな世界に魅せられた、1人の架空の女性の名前です。
その非在の女性に仮託して創作活動をされている―より正確に言うと、その創作活動を通じて非在の女性の人格を形成している―アート&デザインユニットが情報発信しているのが上記のページ。
(上のブログを含むさらに上位の公式サイトはこちら http://vicious-sabrina.com/)。

架空の女性ヴィシャスは、架空の邸内に自らのヴンダーカンマーを作り上げ、そこで博物趣味にあふれたアクセサリーを制作しており、そのアクセサリー自体は現実のものとして販売されています。“Accessry of Curiosities – Wunderkammer von Vicious Sabrina/学術標本を蒐集するアクセサリー”と銘打った、その創作コンセプトは以下に。
http://vicioussabrina.blog72.fc2.com/blog-entry-56.html

ヴンダー趣味や博物趣味は、今やこういう方向に太い枝を伸ばしていたのかと、少なからず驚きを感じました。そしてその主が、80年代生れの若い世代であることにも。

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さらに過去のエントリーを見ていくと、以下のような記事が目に留まりました。

■展示販売のお知らせ / 中目黒のCafe & Bar " Malmö " にて
 http://vicioussabrina.blog72.fc2.com/blog-entry-69.html

ここでは、東京の中目黒にある“Malmö”というお店が紹介されています。
昆虫標本や剥製や人体解剖図に囲まれたバーという、尖端的というか、かなり客を選ぶ店のようです。記事中の紹介文には、「標本や剥製の数々を酒のつまみに愛でながら、中目黒の素敵な夜のお供に」…とあります。私は素敵だと思いますが、二の足を踏む方も多いでしょうね。


それにしても、Vicious Sabrina さんにしても、Malmöさんにしても、こういう洒落た空間作りに憧れはするものの、現実にはなかなか難しいものです。リアルに生活する部屋は、あたかも一個の都市の如く、猥雑な不統一を内包しています。そこには闇もあれば、犯罪もあり、一部はスラム化しています。いかに強権的な為政者(部屋の主)でも、いかんともし難い現実…。


またまたそれにしても、なぜこれらのページがこれまで1回も検索にかからなかったのか、それが私にとっては大きな謎です。
日本に限ってもこうですから、世界のヴンダー界は、依然広大無辺だと思わないわけにはいきません。