ケンブリッジ大学天文台2012年02月08日 20時52分09秒

言うまでもなく、天文学は最も古い学問の1つで、長い長い伝統があります。
中世ヨーロッパにおける学問体系として確立した「自由七科」の内にも、文法、修辞、論理学、算術、幾何、音楽と並んで天文学が入っていました。

ですから、イギリス最古の大学、ケンブリッジ大学においても、天文学は極めて重視され、その研究は昔から盛んに行われた…わけではないのが、興味深いところです。

なぜか?というのは、よく分かりません。
近世になって、天文学が確かな自然科学の一分野になったことで、イギリスの伝統的学問観(古典偏重主義)からはみ出てしまったせいかもしれません。

もちろん、ケンブリッジで天文学がまったく講じられなかったわけではなく、細々と(時には教授の手弁当で)続けらてきましたが、大学付属の天文台が正式に設けられたのは、ずいぶん後のことです。それはニュートンやフラムスチードはおろか、ウィリアム・ハーシェルの時代ですらなく、ハーシェルが亡くなった翌年、1823年になってやっとできたのでした。

その直後、1825年に描かれた版画を、20世紀に入ってから印刷したのが下の絵ハガキです。(あるいは創設100年を記念して作られたものかもしれません。裏面には1930年の消印があります。)


この建物は、現在、天文学研究所付属図書館として使われていますが、その外観は昔とほとんど変わっていません(それも道理で、1990年代はじめに、当初の姿に復元する工事が行われたのだそうです。 http://www.ast.cam.ac.uk/about/history)。


ところで、上の絵葉書には、ちょっとした見所があります。それは…

(この項つづく)

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