理想の理科室風書斎を求め、世界のライブラリーに分け入る ― 2012年08月19日 18時19分49秒
私は書斎や図書館の写真集やウェブサイトが好きで、わりと見ているほうだと思いますが、このサイトの存在は、今日はじめて知りました。
■Beautiful-Libraries.com : The Most Beautiful Libraries in the World
http://www.beautiful-libraries.com/index.html
管理人のBeth さんは、かなり執念を持ってこれらの画像を集めたのでしょう。画像ソースもネットあり、雑誌あり、写真集ありと、多様です。私もまったく初めて見る画像がたくさんあって、見ていて驚きの連続でした。
一般家庭から大邸宅まで、さまざまな規模の個人ライブラリー。大学や教会や国家が威信をかけて築いた巨大な図書館。どれもそれぞれに素晴らしい空間です。
で、私の最大関心事は、「理科室風書斎」づくりの参考になるような、理科趣味、あるいはヴンダー趣味と、書斎空間を融合させたような例はあるだろうか?という点にあったので、膨大な量の画像を見て回りながら、そこに興味を一点集中させていました。
しかし、これがなかなかありません。
博物コレクションの形成は、19世紀にあっては非常にポピュラーな趣味だったので、そうしたものが本の山と共存している例が、今でもちょっとぐらいあってもいいはずなのに、現時点では非常に稀なようです。それ自体一つの発見でした。
私は敢然と我が道を行くほど強くないので、どうしても何かお手本が欲しいのですが、どうもなかなか道は険しいです。
★
そんな中、いくつかお気に入りの画像を見つけたので、とりあえずメモ代わりに貼っておきます。
(English Country House Libraries>page1より
http://www.beautiful-libraries.com/3500-1.html)
http://www.beautiful-libraries.com/3500-1.html)
イングランド北西部、リバプールとマンチェスターの中間にある旧領主館「ダナム・マジー Dunham Massey 」に設けられたライブラリーの光景。専用のガラスケースに入ったアーミラリー・スフィア(左)とオーラリー(右)が、天文古玩的に心惹かれます。古風な科学機器類がさらに充実していたら、言うことなしですね。
(English Country House Libraries>page9より
http://www.beautiful-libraries.com/3500-9.html)
http://www.beautiful-libraries.com/3500-9.html)
こちらは、ウェールズの北方、イングランドとの境に近いレクサム郊外に立つ、Erddig House(Erddig はアーシッグまたはエアシッグと発音するらしい)の邸内。天球儀と地球儀のペア、それと写真右端の机上に、18世紀前半のものと思われる古風な顕微鏡(通称カルペパー・タイプ)が見えるのがポイントです。
(それと、いろいろ画像を見比べてみて、こういうダークブラウンを基調とした部屋が、自分としてはいちばん落ち着くことを再認識しました。こういう点では意外に保守的です。)
(English Country House Libraries>page11より
http://www.beautiful-libraries.com/3500-11.html)
顕微鏡が出たので、望遠鏡のある書斎の例も見てみます。
写真は、アイルランド中部のウェストミースにあるタリナリー(Tullynally)城の書斎。
窓辺に真鍮製の小さな屈折望遠鏡が置かれていますが、この手の望遠鏡は、文字通り ”library telescope” とも呼ばれます。書斎の主はここに腰を下して、昼間は地上の景色を、夜は月を眺めたりしたのでしょう。(はっきりしませんが、像は正立かな?と思います。)
http://www.beautiful-libraries.com/3500-11.html)
顕微鏡が出たので、望遠鏡のある書斎の例も見てみます。
写真は、アイルランド中部のウェストミースにあるタリナリー(Tullynally)城の書斎。
窓辺に真鍮製の小さな屈折望遠鏡が置かれていますが、この手の望遠鏡は、文字通り ”library telescope” とも呼ばれます。書斎の主はここに腰を下して、昼間は地上の景色を、夜は月を眺めたりしたのでしょう。(はっきりしませんが、像は正立かな?と思います。)
この写真から思い出すのは、アイルランド貴族のウォード夫人が著した『望遠鏡指南』(1859)(http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/03/26/304129)の表紙絵↓です。
ささやかなベランダ観望派の方も、いっときアイルランド貴族になったつもりで筒先を天に向ければ、豪奢な気分が味わえるのではないでしょうか。
★
敢然と、とはいきませんが、これからも少しずつ手探りで、我が道を進みたいと思います。理想に達することは永遠にないにしても…。
コメント
_ ねこぱんち ― 2012年08月20日 22時03分28秒
_ 玉青 ― 2012年08月21日 21時38分23秒
おお、いいですね。
研究室とまではいきませんが、記事の方はこの辺で理科実験室の話題にシフトすることにしましょう。
研究室とまではいきませんが、記事の方はこの辺で理科実験室の話題にシフトすることにしましょう。
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あまりハイテク過ぎないのがいいです。