ハーシェルの天体を見よう2012、<第2期>がはじまります ― 2012年07月01日 12時14分45秒
今年の初めにご案内した↓、日本ハーシェル協会主催の天文イベント、「ハーシェルの天体を見よう 2012」。
そのうち、今年の後半に見ごろを迎える3つの天体について、改めて特設ページが開設されました。
1. 天王星― うお座44番星との接近―(9月中旬~10月上旬 )
2. ハーシェルのガーネットスター(ケフェウス座μ星)(8 月~11月)
3. ハーシェル天体H V-1(ちょうこくしつ座 銀河 NGC253) (10月~11月)
第2期のラインナップは、地球のよき隣人・天王星と、ハーシェルが深紅のガーネットにたとえた、3500光年かなたの美しい恒星、そして750万光年という遠方に悠然と横たわる系外銀河という顔ぶれです。
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3番目のNGC253は、偉大なウィリアム・ハーシェル(1738-1822)の妹、カロライン・ハーシェル(1750-1848)が発見した天体です。
(晩年のカロライン)
カロラインは兄ウィリアムの忠実な助手として、その研究を助けるかたわら、彼女自身も優秀な天文家として活躍し、女性に固く門戸を閉ざしていた英国王立天文学会も、さすがに彼女の功績を無視することはできず、彼女が85歳のときに「名誉会員」の称号を与えています。
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梅雨が明ければ夏も盛り。山や海で、暗い空を見上げる機会も増えることでしょう。そして涼しい風が吹いてくれば、空はいよいよ澄みわたり、星の光も静かにささやき始めます。
そうした折々に、遠近さまざまな宇宙の住人の姿を眺め、宇宙の大きさや、天文学の歩みを、改めて実感されてはいかがでしょうか。そして、その成果や感想を、日本ハーシェル協会の掲示板にお書き込みいただければ、協会員として嬉しく思います。
天体観測猫 ― 2012年07月02日 21時27分55秒
今日は太陽がカッと照り付けて、とても暑い日でした。
昨日は早くも熱暴走でノートパソコンが落ちました。今年初落ち。
今からこれでは先が思いやられます。
昨日は早くも熱暴走でノートパソコンが落ちました。今年初落ち。
今からこれでは先が思いやられます。
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このブログは、左欄に見られるとおり、カテゴリーがごちゃごちゃと多いのですが、過去記事を読み直してみて、自分でもわりと面白いと思えるのは「こまごまグッズ」という項目。あまり「うんぬんかんぬん」の考証がなくて、肩のこらない点が良いのでしょう。
暑くなると、あっさりした記事を書きたくなるので、これからしばらくは、こういう路線で行ってはどうかと思いました。
たとえば、こんな品はどうでしょう。
どうです、かわいいでしょう。
薄い金属板を正確に切り抜いて作られた、影絵風のオブジェ。
その平面的な造形の足元を見ると、そこには「影の影」が…。
アクリルケースのサイズは6.5センチ角。
この手のひらに乗る小さな異空間は、造形作家・川口喜久雄氏(シルエット工場主宰)の作品です。氏の猫シリーズは、以下で販売中。
観測スケジュールが多忙で、それこそ猫の手も借りたい方にお勧めです。
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それにしても、猫の見上げる星空って、どんな感じなんでしょうね。
猫は人よりもはるかに夜目がきくので、裸眼でも人間よりずっと暗い星まで見えているはずです。猫族が望遠鏡を覗いたら、そこには天体写真なみの光景が広がっているのかも。
太陽と月のご機嫌いかが ― 2012年07月04日 21時04分45秒
「ヒッグス粒子発見」のニュースで、メディアがにぎわっています。
人類の宇宙理解の歩みを思うと、とても感慨深いです。まあ、ヒッグス粒子の何たるかはさておき(さておいてはいけませんが、あえてさておくとして)、自分もその人類の一員と思うだけでも、ちょっと誇らしい気分になります。
人類の宇宙理解の歩みを思うと、とても感慨深いです。まあ、ヒッグス粒子の何たるかはさておき(さておいてはいけませんが、あえてさておくとして)、自分もその人類の一員と思うだけでも、ちょっと誇らしい気分になります。
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天体にちなむこまごまアンティークから。
写真はパスケースサイズの革細工。1888年にドイツで売り出されたものです。
本来の用途は不明ですが、内側にポケットがあるので、「天文古玩堂主人」の名刺でも作って、これを名刺入れ代わりにしてはどうかと最初思いました。
“こういうものです―”と、サッと胸ポケット取り出したら、いかにも怪しげでいいなあと思ったわけです。が、厚みがないので、せいぜい2~3枚しか入りそうにありません。
“こういうものです―”と、サッと胸ポケット取り出したら、いかにも怪しげでいいなあと思ったわけです。が、厚みがないので、せいぜい2~3枚しか入りそうにありません。
内側ポケットの表面には、1889年の暦が刷られています。
細かい字でびっしり書かれているのは、その日の守護聖人でしょうか。
このへんは日々の吉凶を記した高島暦と、そう違わない感覚ですね。
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顔を近づけると、古い革の匂いがかすかにして、床しく感じられます。
いかにも「欧羅巴」的な風情の品ですが、そもそもなぜ西洋の日月には顔があるのか?東洋でも天体を擬人化して捉える見方は強いと思いますが、まぁるい中に直接目鼻をつけた例がすぐに思い浮かびません。
(愁いを帯びた太陽と不機嫌そうな月)
気鬱300年 ― 2012年07月06日 19時59分07秒
ルネサンス期ドイツの人文学者、コンラドゥス・リュコステネス(1518-1561)が編んだ『驚異と予兆の年代記 Prodigiorum ac ostentorum chronicon 』(1557年刊)。
これは過去に生じた怪奇な出来事を、編年体で綴った一種の奇書として知られます。(この辺は知ったかぶり&受け売りです。)
これは過去に生じた怪奇な出来事を、編年体で綴った一種の奇書として知られます。(この辺は知ったかぶり&受け売りです。)
一昨日の太陽と月から、この本のことを思い出しました。
この本の切れ端(1枚だけバラで買いました)に出てくる太陽と月が、300年以上の時を隔ててまったく同じような顔をしていて、こういう「型」は変わらんもんだなあ…と、わりとどうでもいい点に感心します。月は悲しげだし、太陽は微妙にほほえんでいるようでもありますが、目が笑っていません。二人ともいろいろ気苦労が絶えないのでしょう。
この挿絵は西暦803年の項に登場しますが、この絵がどういう怪奇現象を表しているのかは、本文が読めないのでよく分かりません(この本にはラテン語版とドイツ語版があって、手元にあるのはドイツ語版です)。
ちなみに下の方の挿絵は、突如出現した「空の軍勢」。
こちらは西暦805年の条の挿絵かもしれませんが、同じく内容は未詳。
ドイツ語に堪能な方のご教示をいただければ幸いです。
和名星座早見盤…星のない星まつりの宵に ― 2012年07月07日 10時59分45秒
今日は七夕。
梅雨の最中の新暦7月7日に実施することの愚は、これまで数限りなく言われてきましたが、この場合、名称からして「七」という数字に大きな意味があるので、なかなか月遅れで実施するという便法が普及しないようです。
梅雨の最中の新暦7月7日に実施することの愚は、これまで数限りなく言われてきましたが、この場合、名称からして「七」という数字に大きな意味があるので、なかなか月遅れで実施するという便法が普及しないようです。
今日も案の定、雨もよいの星まつりです。
まあ、飛行機でひょいと雲の上に出れば、そこは満天の星空ですし、そもそも満天の星などというのは、この宇宙ではごくありふれた光景であって、「頭上から水が降ってくる」ことのほうが、汎宇宙的にはよっぽどの奇現象ですから、この星の住人としては、雨を愛でる心がもっとあって良いのかもしれません。いっそ、七夕は「雨まつり」の日にしてはどうか…
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さて、無駄口はやめて、今日の一品はこれです。
以下に紹介文を転載させていただきます。
「国内初の日本名早見盤。監修は国立天文台の渡部潤一先生。もとになっているのは天文学者 野尻抱影先生が残された研究です。従来の西洋星座との対比もできるよう、紺色の上に和名をオレンジ色で載せました。裏面は着色によって星座の位置を学べる12星座絵入り。すばる、おりひめ、ひこぼし、いかり星、うおつりぼしな どが記載されています。」
(※ただし、私のはバージョンが古いのか、裏面は真っ白で星座絵はありません)。
↑は今日の午後11時半の空(明石標準)です。
ぐっと真上を見上げれば、ちょうど天頂に輝いているのが織姫星(ベガ)。彦星(アルタイル)は、そこから南東の位置、天の川の対岸に立って、織姫をさし招いています。そして二人をとりまく十文字星(はくちょう座)、ひしぼし(いるか座)、南斗六星(いて座)、くるま星(かんむり座)…
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日本における星座理解は、基本的に中国からの直輸入で、日本独自の体系がフォーマルに作られることはついになかったようです。
したがって、この「和名星座早見」に採られているのも、<地方色の強い民俗語彙の中で、わりとポピュラーなもの>、<元々それほどポピュラーではなかったが、野尻抱影が激賞したため、後世二次的に広まったもの(中には真珠星(スピカ)のように、抱影翁の創作めいた名も含まれます)>、そして<中国名そのままのもの>が混在していて、全部の名称を横並びに捉えることはできません。しかし、試みとしては面白く、こうした切り口から星に興味を持たれる方もいらっしゃることでしょう。
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ともあれ、雲の上の星たちに、今宵は(今宵も)一献ささげることにしましょう。
【18:00 付記】 ぼやいてみるもので、午後からは青空がグングン広がってきました。これならば、じかに星と対面してグラスを干せそうです。(結局やることは同じです・笑)
「や、これはべんりだ!」…グーグルブックを読む ― 2012年07月08日 09時27分33秒
昨夜、9時過ぎにベランダに出たら、空は雲ひとつない快晴。しかも雨上がりのせいで、空気が素晴らしく澄んでいました。35ミリの双眼鏡で眺めた空は、ちょうど裸眼で見た田舎の空のような感じで、うっすらと天の川の存在も分かりました。これは私の町では非常にまれなことです。
その後、自分の記事に触発されて、11時過ぎにもう1回見に出たら、こんどは薄雲が流れていて、おまけに明るい月まで顔を出し、星の方はさっぱりでした(雨のことばかり気にして、月の存在を失念していました)。でも、七夕の晩にあれだけの星を見ることができたのですから、これはもう100点満点と言っていいでしょう。
その後、自分の記事に触発されて、11時過ぎにもう1回見に出たら、こんどは薄雲が流れていて、おまけに明るい月まで顔を出し、星の方はさっぱりでした(雨のことばかり気にして、月の存在を失念していました)。でも、七夕の晩にあれだけの星を見ることができたのですから、これはもう100点満点と言っていいでしょう。
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さて、今日は「天文古玩」には珍しく、実用情報です。
既にご存じの方もいらっしゃるでしょうが、私は知らなかったので、本当に感動しました。出典は某メーリングリストの某氏です(先方が迷惑を感じるといけませんので、お名前は伏せます)。
それはグーグルブックに関すること。
グーグルブックは便利ですが、ときどき(というか頻繁に)読めないことがありますよね。
たとえば、19世紀の末にリチャード・アレンという人が書いた、『Star-Names and Their Meanings』(1899)という有名な本があります(後に『Star Names: Their Lore and Meaning』に改題)。
ふつうにグーグルブックで探すと、下のURLが表示されます。
http://books.google.co.jp/books/about/Star_names_and_their_meanings.html?hl=ja&id=5xQuAAAAIAAJ
しかし、このページを開いても、「電子書籍がありません」と表示されて、読めません。
私はいままで「電子書籍がないんじゃしょうがないな」と思って、それ以上追及しませんでした。しかし、実は電子書籍はあるんだそうです。
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以下、某氏のメールを適当訳。(文中の「あなた」というのは、私のことではなく、別のリストメンバーです。)
「あなたが直面している問題は、グーグルブックが(その理由は不明ですが)19世紀の出版物の多くについて、米国外からスキャン画像にアクセスすることを禁じていることに由来します。〔…〕これを解決するには、米国内のプロキシサーバーを経由して閲覧することです。以下にその一覧があります。
http://www.publicproxyservers.com/proxy/list_rating1.html
この中から、米国内にあるプロキシサーバー、どれでもいいのですが、たとえば
http://www.graduatefast.info/
を選んで、該当書籍の正確なアドレスを、表示されたウィンドウに貼り付けてください。そうすれば米国内のユーザーと同じようにページが表示され、PDFファイルのダウンロードも可能になります。」
え、そうだったのか!
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さっそく、先ほどのアレンの本で試してみましょう。
まず某氏の助言にしたがって、
http://www.publicproxyservers.com/proxy/list_rating1.html
にアクセスすると、プロキシサーバーがずらずら出てきます。
米国内のサーバーならどれでもいいのでしょうが、ここでは某氏にならって、garduate.fastを選んでクリックします。
画面の下にURL欄があるので、先ほどのグーグルブックのURL、http://books.google.co.jp/books/about/Star_names_and_their_meanings.html?hl=ja&id=5xQuAAAAIAAJ をそのまま入力し、「GO」ボタンをクリックすると、
今度は、「電子書籍がありません」の表示が消えました。
さらに、下の方にスクロールすると、ページのサンプルや目次が表示され、自由に内容を読むことができます。
さらに、右上のボタンで、ふつうにPDFをダウンロードすることもできます。
やった!
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感動ついでに「便利情報」というカテゴリを新設しました。
太陽がいっぱい ― 2012年07月09日 22時30分50秒
先日登場した、リュコステネスの『驚異と予兆の年代記』。
あの断簡零葉を求めたのは、裏面の挿絵にもいたく惹かれたからです。
あの断簡零葉を求めたのは、裏面の挿絵にもいたく惹かれたからです。
↑は西暦808年の条に出てくる絵。
説明文の方はやはりさっぱりですが、この挿絵は明らかに幻日(げんじつ)を描いたものでしょう。上の絵は太陽と「偽りの太陽」が並んだ様子を、そして下の絵は、太陽の周りに二重の暈(かさ)が生じ、内暈から幻日が尾を曳いているところを表しています。
説明文の方はやはりさっぱりですが、この挿絵は明らかに幻日(げんじつ)を描いたものでしょう。上の絵は太陽と「偽りの太陽」が並んだ様子を、そして下の絵は、太陽の周りに二重の暈(かさ)が生じ、内暈から幻日が尾を曳いているところを表しています。
実際の幻日がどんなものかは、検索すれば大量の画像が出てくるのでご覧いただきたいですが、この絵は(太陽の顔を除けば)かなり実景に近いです。
幻日は、大気中の氷晶によって太陽光が反射屈折して生じる現象なので、天文というよりは気象分野の話題になります。決して稀な現象ではないといいますが、それでも昔の人にとっては説明のつかぬ怪現象であり、だからこそ、それを大事に記録にとどめ、750年後のリュコステネスの時代にまで情報が伝わったのでしょう。
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私もある冬の日に幻日を見たことがあります。
駅のホームから、薄ぐもりの空に太陽を欺く光のかたまりがはっきり見えました。でも、幻日に注意を向ける人は他には誰もいないようで、そのことがかえって不思議でした。現代の人は、そもそもあまり空を見上げないのかもしれません。
7月のイベント(1)…夜の散歩、博物清談 ― 2012年07月10日 21時29分54秒
何とも素敵な催しをいくつか耳にしたのでご紹介。
ひとつめは、以前記事にした(http://mononoke.asablo.jp/blog/2010/02/10/4869899)神戸の洒落た昆虫商・「六甲昆虫館」と、古生物をテーマにしたアート関連事業を手がけていらっしゃる (株)ACTOW との共催イベント、「サロン・ド・六甲昆虫館」。
(六甲昆虫館の店先、画像既出)
○日時 7月20日(金) 20:00~22:00
○場所 六甲昆虫館
〒650-0003 兵庫県神戸市中央区山本通2-13-13 クラフトハウス 1F
Tel/Fax 078-222-2529
○備考 参加無料、事前申し込み不要
○問合せ ACTOW 社( http://actow.jp/ ; メール actow@actow.jp)
以下、イベント案内文より(主催者の了承を得て転載)
「夜の神戸・北野にぽつりと灯りの燈る、
博物学の香りのする空間で、
自然や動物の事、文化・芸術の事、その他様々な事柄を、
とりとめもなく話す場です。
もし、あなたが心に秘めた興味、物事への想いがあれば
それをお話しにいらっしゃいませんか?
ACTOW の2人と六甲昆虫館のマスターがお待ちしております。
六甲昆虫館が初めて、という方も是非お気軽にお越しください。」
果たして、この文章を読んで胸の躍らない人がいるでしょうか?
★
大通りから引っ込んだ、謎めいた空間に身を置き、
きらきらと光る昆虫標本に囲まれて、
博物・芸術万般の話にうち興ずる人々。
神戸の街を舞台にした、不思議な夜の散歩…
ああ、本当に神戸近辺の方が羨ましいです。お近くの方はぜひ。
(旧居留地のビルに灯る明かり)
7月のイベント(2)…古都の空に人と星の歴史を読む ― 2012年07月11日 22時56分25秒
ふたつめのイベントのご案内。
これまたロケーションは関西で、おなじみの京都のLagado研究所さん(http://lagado.jp/)が、お店の外に飛び出して、鴨川べりで星空を見上げる会を開くという情報です。
これまたロケーションは関西で、おなじみの京都のLagado研究所さん(http://lagado.jp/)が、お店の外に飛び出して、鴨川べりで星空を見上げる会を開くという情報です。
(Lagado研究所店内 2011年撮影)
○日時 7月28日(土) 20:00~22:00
※雨天中止
○場所 京都市左京区出町柳駅前 鴨川デルタ
Mapはこちら
○講師 廣瀬匠氏(星のソムリエ)
○定員 30人
○費用 500円(中学生以下無料)
○申込み 淡嶋さん(info@lagado.jp)宛て、名前・人数を記入の上メールで。
以下、内容のあらまし。
「主な内容は、京都から見える夏の星座の見つけ方や星座の成り立ち。科学が今ほど進歩していなかった時代の人たちは、どのような宇宙観を持っていたのかなどを探っていきたいと思います。また、子供の頃から漠然と疑問に思っていた宇宙の謎について先生が楽しく解説してくれます。」
これだけ読まれると、一見ファミリー向けの企画のように思われるかもしれません。
実際そうした要素もたぶんあるので、誰でも安心してご参加いただけると思います。
しかし、不思議を売り物にする(?)同研究所だけに、香辛料もちゃんと効いています。
それは今回の講師を務められる、廣瀬匠氏のバックボーン。
同氏の経歴は以下のように紹介されています。
「天文ライター兼編集者として星空案内や現代天文学の話題を雑誌等で発信。星のソムリエ。現在京都大学大学院では中世インド・アラビアを中心とした天文学史を研究中。」
中世インド・アラビア天文学史!
私の勝手な思い込みかもしれませんが、いかにも香辛料が効いているではありませんか。
星座史、天文学史を本格的に学ぼうと思ったら、ギリシャ・ローマ世界を超えて、もっと東方に目を向けねばならないというのは、誰でも思いつくでしょうが、しかし、実際それを専攻されている方は、日本では少ないと思います。そうした方の話を、星空の下で、じかに聞けるというのは、実に得難い経験です。
(アストロラーベに付属する星座盤。ペルシア17世紀 ※)
―Lagado研究所の授業はどのようにしていきたいですか?
星空の下、黒板とチョークだけで行われる授業ってなかなか無いですよね。
私自身、パソコンで作成したスライドを投影するだけの授業をすることがほとんどなので、今回の授業では新しい境地を開拓するつもりで臨みたいです。
―来てくれるお客様へ一言お願いします。
是非、大量の「?」を用意して来てください。
みなさまの「?」をどれだけ減らせるかわかりませんし、下手をすると「?」が増えてしまうかもしれませんが、多くの新しい「!」を持って帰っていただける自信があります。
素敵です。とても臨場感あふれる、そして対話の妙にあふれた‘授業’が期待できそうです。六甲昆虫館でちょっとスノッブな夜を過ごした翌週は、夕涼みがてら、古都で「野外星サロン」に参加されてはいかがでしょうか。
(獅子の姿をした太陽。インド17~18世紀 ※※)
★
なお、Lagado研究所では、今夏、「星空教室」につづいて、8月4日(土)には中尾優司さん(大阪市立科学館友の会 評議員。大学院で運慶・快慶について研究中)をお招きしてのイベント(内容はこれからリリース予定)、さらに8月11日(土)には、「音楽ライブ-惑星のかぞえかた-」(詳細→ http://tinyurl.com/7taz88h)と、星をテーマにしたイベントが続きます。
(※)Carole Stott, CELESTAL CAHRTS. Smithmark, 1995.
(※※)George S. Snyder, MAPS OF THE HEAVENS. Abbeville, 1984.
天竺へ ― 2012年07月13日 23時36分26秒
前回の記事から、話題を強引にインドに持っていこうとしたのですが、無知な点が多くて、なかなかスムーズに文章が書けません。
記事を書き上げるまで、もうちょっと時間がかかります。
記事を書き上げるまで、もうちょっと時間がかかります。
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