和名星座早見盤…星のない星まつりの宵に2012年07月07日 10時59分45秒

今日は七夕。
梅雨の最中の新暦7月7日に実施することの愚は、これまで数限りなく言われてきましたが、この場合、名称からして「七」という数字に大きな意味があるので、なかなか月遅れで実施するという便法が普及しないようです。

今日も案の定、雨もよいの星まつりです。
まあ、飛行機でひょいと雲の上に出れば、そこは満天の星空ですし、そもそも満天の星などというのは、この宇宙ではごくありふれた光景であって、「頭上から水が降ってくる」ことのほうが、汎宇宙的にはよっぽどの奇現象ですから、この星の住人としては、雨を愛でる心がもっとあって良いのかもしれません。いっそ、七夕は「雨まつり」の日にしてはどうか…

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さて、無駄口はやめて、今日の一品はこれです。


渡辺教具製の「和名星座早見
(メーカーによる紹介ページはこちら → http://blue-terra.jp/products/1107.html

以下に紹介文を転載させていただきます。

「国内初の日本名早見盤。監修は国立天文台の渡部潤一先生。もとになっているのは天文学者 野尻抱影先生が残された研究です。従来の西洋星座との対比もできるよう、紺色の上に和名をオレンジ色で載せました。裏面は着色によって星座の位置を学べる12星座絵入り。すばる、おりひめ、ひこぼし、いかり星、うおつりぼしな どが記載されています。」
(※ただし、私のはバージョンが古いのか、裏面は真っ白で星座絵はありません)。


↑は今日の午後11時半の空(明石標準)です。

ぐっと真上を見上げれば、ちょうど天頂に輝いているのが織姫星(ベガ)。彦星(アルタイル)は、そこから南東の位置、天の川の対岸に立って、織姫をさし招いています。そして二人をとりまく十文字星(はくちょう座)、ひしぼし(いるか座)、南斗六星(いて座)、くるま星(かんむり座)…

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日本における星座理解は、基本的に中国からの直輸入で、日本独自の体系がフォーマルに作られることはついになかったようです。

したがって、この「和名星座早見」に採られているのも、<地方色の強い民俗語彙の中で、わりとポピュラーなもの>、<元々それほどポピュラーではなかったが、野尻抱影が激賞したため、後世二次的に広まったもの(中には真珠星(スピカ)のように、抱影翁の創作めいた名も含まれます)>、そして<中国名そのままのもの>が混在していて、全部の名称を横並びに捉えることはできません。しかし、試みとしては面白く、こうした切り口から星に興味を持たれる方もいらっしゃることでしょう。

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ともあれ、雲の上の星たちに、今宵は(今宵も)一献ささげることにしましょう。

【18:00 付記】 ぼやいてみるもので、午後からは青空がグングン広がってきました。これならば、じかに星と対面してグラスを干せそうです。(結局やることは同じです・笑)