H. C. King 『望遠鏡の歴史』 ― 2012年11月07日 22時15分22秒
春海の時代の望遠鏡の話は、そう焦る必要もないので、ぼちぼち寄り道をしながら書いていきます。
寄り道のひとつとして、17世紀の望遠鏡の実像を知るために、今斜め読みしている本があります。望遠鏡史の分野において、おそらく最も重要な基礎文献、Henry C. King の『The History of the Telescope』(初版 1955)です。一時はけっこう稀本でしたが、現在はDover社から、ペーパーバックのリプリント版が簡単に手に入ります。
で、今最初の方の章を拾い読みしているのですが、私は17世紀の望遠鏡をかなり誤解していたことが分かりました。
たとえば、17世紀の望遠鏡というと、ヨハネス・ヘヴェリウス(1611-1687)の長大な空気望遠鏡(↓)の話題が必ず出ますが、私はあの珍奇な望遠鏡を、「たしかに当時の“代表的な望遠鏡”かもしれないが、決して“標準的な望遠鏡”ではないだろう」という風に、いわば時代の徒花的存在だと思いこんでいたのです。
しかし、King の本を読むと、17世紀はまさに「ロング望遠鏡の時代」で、ヘヴェリウスの望遠鏡は、決して変人が作った孤立例などではないらしいのです。
とはいえ、まだ斜め読みなので、もうちょっと内容を咀嚼した上で、春海の望遠鏡の話につなげていこうと思います。
とはいえ、まだ斜め読みなので、もうちょっと内容を咀嚼した上で、春海の望遠鏡の話につなげていこうと思います。
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