身に添いし物 ― 2008年09月12日 08時40分37秒
今週に入って、大忙しというほどでもありませんが、「小忙し」ぐらいの状況で、記事の間隔が空いています。たぶん来週一杯こんな感じでしょう。
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さて、物があふれているという話の続き。
あらためて自分の周囲を見回して、いったいその淵源はどこにあるのだろうかと考えてみました。
単に古いものならば、身の回りにいろいろとあります。額に汗して買ったアンティーク的な品もあるし、子どもの頃の思い出の品を、大人になってから買い直したものもあります。でも、本当に我が身に添ったもの、つまり度重なる引越しにも耐えて、自分といっしょに齢を重ねてきた古馴染みというと、そう数は多くありません。
アルバムの類を除けば、いちばん古いのは多分この本です。
小学校の中学年ぐらいからずっと持ち歩いているので、思えば長い付き合いです。
■昆虫の採集法と標本の作り方
松沢寛・近木英哉(著)、東洋館出版社、昭和46
中身は、まあセオリー通りというか、採集用具の解説から始まって、すくい網法・たたき網法等各種の採集技法、そして標本製作の実際まで、一通りの知識を与えてくれます。
内容的には、中学生か、せいぜい高校生向きの本だと思いますが、ハードカバーのかっちりした造本は、子どものころには立派な専門家向きの本に思えて、何か自分がいっぱしの学者になったような気分がしたものです。
この本を見ると、かつて昆虫少年だった自分の出自を感じます。
昆虫に対しては、天文とはまたちょっと違った思い入れがあって、このブログのカテゴリでも「動・植物」から「昆虫」が独立しているのは、そんな個人史が反映されています。
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