リスボン天文台 ― 2008年09月21日 20時44分09秒
いろいろ同時進行の仕事があり、気分がソワソワと落ち着きません。
こういうときは、古い天文台を仮想訪問するに限る…というわけで、のんびりムードにふさわしい南欧リスボンへ。
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写真はリスボン天文台の古絵葉書。裏面区画のない1900年代初頭の品です。
左手に落葉した木があるので、季節は冬でしょう。でも草が青々として、棕櫚の木も生えていたり、ポルトガルはやっぱり温暖なようですね。よく見ると、写真がボケボケだったせいか、かなり補筆のあとが見られます。左手前の草むらは露骨に手書き。右手の紳士は何者か分かりませんが、ちょっと演出っぽい感じですね。
同天文台は1861年に建築が始まり(建物正面にローマ数字で1861と書かれています)、1867年に完成しました。新古典様式の建物は、ロシアのプルコヴォ天文台にならって、フランス人建築家のジャン・コルゾンが手がけたもの。
計画が立てられたのは、24歳で夭逝した「有望王」ペドロ5世治下で、この王様はポルトガルの近代化に取り組み、各種のインフラ整備に頑張ったそうですから、天文台建設もその一環だったのでしょう。その後を継いだのが、弟の「大衆王」ルイス1世で、彼は政治能力こそ今ひとつでしたが、科学には強い興味を示し、リスボンに世界最初の水族館を作ったのもこの人だとか。絵葉書には旧称で「ルイス王天文台(Observatorio D. Luiz)と書かれています。新古典主義の外衣は、ポルトガルの王威を内外に示す意図もあったのでしょう。
天文台は現在リスボン大学の所管です。場所はリスボンの南西部、テージョ川に程近い農業大学(ISA)のキャンパス内で、周辺はタパダ・ダ・アジュダという広大な植物園になっています。
外観・内部ともよく保存されており、天文機器のコレクションや、充実したライブラリーでも有名だそうですから、いっぺん行ってみたいとは思いますが、たぶん行く機会はないでしょう。。。
■参考■
★公式サイト(ポルトガル語)
http://www.oal.ul.pt/
★ポルトガル語版ウィキペディア:Observatório Astronómico de Lisboa
http://pt.wikipedia.org/wiki/Observat%C3%B3rio_Astron%C3%B3mico_de_Lisboa
(今回もGoogle翻訳のお世話になりました。)
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