みんな土星が大好き…The Crystallized Saturn2009年10月01日 23時00分59秒

昨日や、さらにその前の記事を見ても分かるように、
理科少年の夢に土星は欠かせません。

私も自分だけの土星が欲しい
…と思って、あれこれ探したら、
上のような品が見つかりました。

6センチ角のガラスのキューブに封じ込められた、
50億分の1の土星。

最近は、こういうガラスをレーザー加工した品も
陳腐化しつつありますが、
これはその完成度の高さによって、
まるで本物の土星をたなごころに載せているような
快感と不思議さを味わうことができます。

(この項つづく)

月まどかなり、酒杯を上げよ2009年10月03日 20時47分28秒

土星の話の続きのはずですが、帰り道、あまりにも月が名月名月していたので、今日は月を見ながら酒を酌むことにしました。

そこで、何と半年目にして、ついに粕取焼酎GORYU(↓)の栓を開けました。
http://mononoke.asablo.jp/blog/2009/04/11/4239450

封を切ると、お、栓は天然木製。これは渋い。
とくとくとく…とグラスにゆっくり注ぐと、粕取り焼酎の香りがぷーんとしてきます。
私は焼酎党ではないので、味を形容する語彙に乏しいのですが、ごくまろやかな味で、ストレートで口に含んでも舌を刺激することなく、かすかな甘みが感じられます。


…ちょっと酔ったところで窓を開けたら、涼しい風とともに、虫の声がさっと部屋に流れ込んできました。

月もそろそろ中天にかかってきましたね。

  ★

上の写真は、GORYUのボトルにぶら下がる商品タグ。
原図は、日本のケプラーとも呼ぶべき、近世天文学の鬼才・麻田剛立(あさだごうりゅう1734-1799)が描いた日本最初の月面観測スケッチです。

The Crystallized Saturn…接写2009年10月04日 17時32分41秒

例の土星を下(=南側)から見上げたところ。

環と本体の位置関係が分かりにくいのですが、土星の環は、写真の上の方で本体の手前に来ています。そしてその奥に、北極側にある目玉模様が、半透明の土星本体を透かしてうっすらと見えています。

こうして見ると、カッシーニやエンケの間隙ばかりでなく、レコードの溝にたとえられる多重リング構造がリアルに表現されているのがよく分かります。

製品に同封されていたパンフによれば、この模型は厳密な科学データに基づいて作られており、本体表面の雲のパターンは、探査機ボイジャーとハッブル宇宙望遠鏡のデータを元に、また環の構造は、探査機カッシーニのデータを元にしているそうです。

何でも、よーく目を凝らして見ると、環の最外周(F環)のそばを回る「羊飼い衛星」プロメテウスとパンドラまで表現されているらしいのですが、残念ながら、私にはまだ見つけられません。何とも凝ってるというか、作り手のこだわりを感じさせる話です。

ちなみにレーザーが刻む個々の点の大きさは、約50ミクロンしかないそうですが、それでも実際の大きさは、250キロメートルに相当するとのこと。さすがに土星は大きいですね。

■商品情報■
この素敵な品は、イギリスの Crystal Nebulae(http://crystalnebulae.co.uk/)というメーカーが作りました。上記サイトからもオンラインで購入可能ですが、決済にはPaypalアカウントが必要となります。

The Crystallized Saturn…接写22009年10月04日 17時43分51秒

拡大写真を、もう1枚おまけ。

環の最外周に点々と、か細いF環が見えます。(見えますか?)

クリスタルの中に宇宙がある2009年10月05日 20時01分01秒

(↑「青いビー玉」より)

昨日の記事からの連想。

「水晶の中に封じ込められた土星」
「強力な思念の力によって、水晶の中に生じた銀河」
いずれも、たむらしげる氏の画文集『水晶山脈』の中で描かれるイメージです。

また、氏の掌編「青いビー玉」(作品集『スモールプラネット』所収)には、「ビー玉の中の宇宙」が登場します。

   ★

ビー玉を覗くと見える無数の星たち。もし、ものすごく高倍率の
顕微鏡があれば、そうした星で暮らす住人たちだって見えるに
ちがいない…。ある晩、書斎でそんな空想にふけるフープ博士。
そのまま、ふらりと夜の街に散歩に出かけると、いつの間にか、
自分の周囲の物体が、みな急速に縮んでいくのに気付きます。
山も、地球も、星雲も、何もかもがグングン小さくなっていき、その
うち目の前には、透明な<宇宙の果て>が現われます。その壁の
向こうに目をやれば、そこには見慣れた自分の書斎が…。

   ★

手にした鉱物の結晶や、ガラス塊の中には1個の世界が存在し、それが現実の世界と入れ子構造になっている…というイメージは、人の心に強く訴えかけるものがあります。
私も子供のころ、そんなことをボンヤリ空想したことがあるような気がします。

いや、子供の頃ばかりでなく、私は今でも頻繁にそんなことを考えます。
たとえば、インスタントコーヒーを入れると、表面に細かい泡ができますね。その泡の集団がクルクル回りながら、互いにくっついたり、徐々に消えていくのを見ると、そこに1個の宇宙の生成と消滅する様を思い浮かべたりします。

水の惑星…地球のマーブル2009年10月07日 23時03分28秒

いよいよ台風が迫りました。自然の力をまた痛感させられそうです。不安な一夜。

  ★

昨日、「青いビー玉」(by たむらしげる氏)という作品に触れましたが、写真は、文字通り<青いビー玉>に特殊なプリントを施した、ガラスの地球儀です。

直径3.5センチという、私が持っている中ではいちばん小さい地球儀。

青い海を透かして、向こうの景色が浮かび上がっています。
地球というより、水球でしょうか。

水の惑星…地球のマーブル(2)2009年10月07日 23時11分23秒

マリンブルーの中に、大小無数の泡が浮かんでいます。
AQUA PLANET。不思議な水の惑星。
海の底から泡のはじける音が聞こえてくるようです。

この泡を宇宙に浮かぶ星や銀河だと空想すると、ちょっとフープ博士の気分も味わえます。

星のマーブルトリオ2009年10月09日 22時51分23秒

あの地球儀のビー玉には、火星や月の仲間がいます。
火星と月は、地球ほど厳密に作り込まれていなくて、まあイメージ程度ですが、それぞれ実際の大きさと同じ比率になっているのが味噌。

学校の先生ならば、太陽系の大きさを子供たちに実感させるのに使えそうですね。
このビー玉だと、地球から月までは約1メートル。同じ縮尺だと太陽は直径3.8メートルで、地球からは400メートルの距離になります。これだけでもう校庭を飛び出してしまいますね。そして、火星は地球のさらに外側、太陽からは620メートルのところを回っている…云々。(今、電卓をたたいて、私もなるほどと思いました。)

星のビー玉は、いずれもSHASTA VISIONS(米)の製品。
日本でも取り扱っている店があるかもしれませんが、とりあえず下記サイトから直接購入可能です。

■SHASTA VISIONS  http://www.marbles-globes-gifts.com/Home.html

ここは、カリフォルニアの山ふところにある会社。
リサイクルガラスを使ったエコな商品というのもアピールポイントですが、この小さな地球儀には、地球の平和を願う心が込められているのだそうです。Hold The Whole World In Your Hand...Imagine Peace On Earth! なかなかあっぱれな会社のようです。

囲繞する、何か(1)…抽斗の内と外2009年10月11日 18時40分28秒

定期的にやってくるハーシェル協会の用務に、現在取り組んでいます。

そんなわけで、文字の多い記事は書きにくいので、しばらくは何の脈絡もなしに―とはいえ、ある種の<天文古玩的空気>が漂うことを期待しつつ―身辺の写真を貼ることにします。

一部既出のモノも写り込んでいますが、新旧を問わず、今回は個々の被写体の説明は省略します(いずれ書く機会もあるでしょう)。


(※以下、カテゴリー分けがしにくいのですが、「理科室風書斎」の一部ということで、「理科室」と「書斎」に入れておきます。)

(←10月12日訂正: でも実際には「理科室」とあまり関係ないモノも多いので、「書斎」プラス「何かいちばん近いカテゴリー」に分類することにします。)

囲繞する、何か(2)…らせん2009年10月12日 16時16分35秒


透明な石と、2個のらせん。

石化した太古の生物の記憶も、
成長様式に由来する、その螺旋の形象そのものも、
すべてが<時間>の象徴と呼ぶにふさわしい感じがします。