ジョバンニが見た世界「時計屋編」(13)…黒い星座早見盤(第3夜)2011年12月23日 19時48分38秒

寒気が強まってきました。いよいよ明日は雪かもしれません。

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今日も変わりばえのしない写真で恐縮です。

フィリップス社の早見盤は、その後デザインを改め、よりスッキリした外観となりました。その変更の時期は不明ですが、造形感覚の移ろいからすると、第1次~第2次両大戦の合間、20世紀第2四半期のごく早い時期ではないか…と、個人的に想像しています。



そして、こちらも初代の早見盤と同様、新時代の天文ファンの心をしっかり捉え、少なくとも1950年代までは、くり返し版を重ねました。



フリル状の飾りを廃したプレーンなフォルム、そして配色も、黒と紺のスキッとしたものとなり、私自身は初代よりも、むしろこの2代目の方を気に入っています。そして、「銀河鉄道の夜」の世界には、こういうキリッとした味わいの方が一層ふさわしいとも思います。

ですから、正面から考証を進めると、ジョバンニが目にした品の候補としては、昨日紹介した初代に軍配が上がるものの、将来時計屋の店先を再現するとしたら、この2代目を採用するのも悪くないんじゃないかなあ…と考えています。