休日はデロールへ(附・国書刊行会からの挑戦状) ― 2012年11月03日 17時15分46秒
最近、みんなが実感をこめて口にする言葉。「今年は秋がなかった。」
ええ、本当に寒くなりました。
★
さて、久しぶりにパリの老舗博物商の話題。
「休日はデロールへ」と言っても、実店舗は日曜は休みだそうですが、しかし、日曜だろうと盆正月だろうと、いつでもデロールに行ける時代がついにやって来ました。各地の博物館ではお約束のヴァーチャルツアーが、ついにデロールでも始まったからです。
ええ、本当に寒くなりました。
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さて、久しぶりにパリの老舗博物商の話題。
「休日はデロールへ」と言っても、実店舗は日曜は休みだそうですが、しかし、日曜だろうと盆正月だろうと、いつでもデロールに行ける時代がついにやって来ました。各地の博物館ではお約束のヴァーチャルツアーが、ついにデロールでも始まったからです。

ペパーミントグリーンの壁。
デコラティブな漆喰仕上げの天井。
木製の什器類。
その空間全体に満ちあふれる、剥製・剥製・剥製、標本・標本・標本。
美しくも不思議な世界がそこにはあります。
強いて難点を言えば、ちょっと小綺麗すぎる気がしなくもありません(火事で修繕されたばかりのせいもあるでしょう)。個人的にはもう少しアヤシサが欲しいのですが、稀有な空間であることは間違いありません。
★
この情報、実は私のオリジナルではなくて、Tizit さんに教えていただきました。
どうもありがとうございました。
Tizit さんの熱い思いが伝わる元記事は以下。(なお、投稿者は fumi さん名義になっていますが、ここでは以前から耳に親しい Tizit さんという HN でお呼びします。)
★
で、さらに Tizit さんの別記事に便乗ですが、以下は、これまたとびきり濃厚なヴンダー風味の内容で、驚異の部屋に関心のある人であれば、目を剥くこと必定。

記事の表題にある「私が選ぶ国書刊行会の3冊」という小冊子、その内容は各界著名人が、同社の刊行物について語るというもののようですが、ここで問題となるのはその表紙です。上の Tizit さんの記事でご覧いただけるように、これが古今東西の珍物を配列した、まさに「紙のヴンダーカンマー」とも呼ぶべきデザインで、しかも個々のアイテムについては一切の説明がありません。いかにも謎めいています。
「国書刊行会っていうのはな、そんな簡単に分かった気になってもらっちゃ困るんだよ。どうだ、そこのお前さん、こいつらの正体が分かるか?」という、高踏的な挑戦状のようにも感じられます。
その挑戦に応えられた Tizit さんの赫たる戦果が、上の記事では報告されています。何せモノの正体に加えて、できればその直接的な画像ソースまで特定しようというのですから、これはものすごい難仕事で、Tizit さんの力技には只々呆然です。
さらに私の功績(笑)にも言及していただいた、その追加報告は以下。
しかし、Tizit さんの奮戦にもかかわらず、陥落しないモノたちがまだまだ複数あって、依然不敵な、そして奇怪な笑みを浮かべています。
博識自慢の方、検索自慢の方、ぜひ勇を奮って、この挑戦に応じられんことを!
コメント
_ かすてん ― 2012年11月04日 08時48分47秒
_ 玉青 ― 2012年11月04日 11時11分47秒
おお、『茨城の城郭』!何と渋いテーマでしょう。
これぞ「3冊」のうちに挙げあられて然るべきご本かと。
かすてんさんとお仲間の情熱に、そして国書刊行会の見識に、謹んで酒の精を捧げます。(^J^)
これぞ「3冊」のうちに挙げあられて然るべきご本かと。
かすてんさんとお仲間の情熱に、そして国書刊行会の見識に、謹んで酒の精を捧げます。(^J^)
_ たつき ― 2012年11月04日 20時04分03秒
玉青様
国書刊行会の本は装丁もすばらしく私も好きです。工作舎もですが、まだ無事に営業していたんですね。きっと私たちのような(失礼)酔狂な人間が予想以上にたくさんいるのでしょう。
たしか、人文書院て゛初版は2000部だそうですから、そのくらいの仲間がいるようです。
デロールも火事になっても元気に復活したのですし。
それと、ひとつ疑問なのですが、カレンダー上ではまだ秋ですよね。冬は12月からですから、まだまだ深まりゆく秋を楽しめるとおもいますが、いかかでしょう。もちろん、玉青さんの言いたいこと、このごろは季節が激変する、はわかっているつもりですが。
国書刊行会の本は装丁もすばらしく私も好きです。工作舎もですが、まだ無事に営業していたんですね。きっと私たちのような(失礼)酔狂な人間が予想以上にたくさんいるのでしょう。
たしか、人文書院て゛初版は2000部だそうですから、そのくらいの仲間がいるようです。
デロールも火事になっても元気に復活したのですし。
それと、ひとつ疑問なのですが、カレンダー上ではまだ秋ですよね。冬は12月からですから、まだまだ深まりゆく秋を楽しめるとおもいますが、いかかでしょう。もちろん、玉青さんの言いたいこと、このごろは季節が激変する、はわかっているつもりですが。
_ 玉青 ― 2012年11月04日 20時49分29秒
こういう時代なればこそ、硬派の出版社には大いに頑張ってほしいですね!
ところで季節の話題。
四季に関しては、旧暦時代は1~3月が春、4~6月が夏…というふうに明快に決まっていましたが、新暦になってそれが崩れたため、現在はちょっと曖昧なところがあります。現在の通念では、3~5月が春、6~8月が夏…とするのが普通で、学校でもそう教わりますが、これはどうやら気象学上の区分のようです。いっぽう、季節感を大事にする俳句の世界では、季節を先取りして、2~4月が春、5~7月が夏…と考えるようです。その方が旧暦とのずれが小さく、歳時記を編むのに便利なせいもあるのでしょう。
いずれにしても、今週(7日)はもう立冬。木枯らしが身にしみるシーズンですね。たつきさんも、どうぞ温かくしてお過ごしください。
ところで季節の話題。
四季に関しては、旧暦時代は1~3月が春、4~6月が夏…というふうに明快に決まっていましたが、新暦になってそれが崩れたため、現在はちょっと曖昧なところがあります。現在の通念では、3~5月が春、6~8月が夏…とするのが普通で、学校でもそう教わりますが、これはどうやら気象学上の区分のようです。いっぽう、季節感を大事にする俳句の世界では、季節を先取りして、2~4月が春、5~7月が夏…と考えるようです。その方が旧暦とのずれが小さく、歳時記を編むのに便利なせいもあるのでしょう。
いずれにしても、今週(7日)はもう立冬。木枯らしが身にしみるシーズンですね。たつきさんも、どうぞ温かくしてお過ごしください。
_ たつき ― 2012年11月04日 21時19分34秒
玉青様
ありがとうございました。
私は漠然と9~11月を秋だと思っていたので、上のような質問になってしまいました。失礼しました。
そしてもう立冬なのですね。玉青さんもお体には気を付けて、興味深いこのブログを続けてください。
ありがとうございました。
私は漠然と9~11月を秋だと思っていたので、上のような質問になってしまいました。失礼しました。
そしてもう立冬なのですね。玉青さんもお体には気を付けて、興味深いこのブログを続けてください。
_ かすてん ― 2012年11月04日 23時07分58秒
>かすてんさんとお仲間の情熱に、そして国書刊行会の見識に、謹んで酒の精を捧げます。(^J^)
わーい!明日の八王子城登山を前に、福生からご返杯!
わーい!明日の八王子城登山を前に、福生からご返杯!
_ Tizit ― 2012年11月05日 01時08分19秒
取り上げていただき、ありがとうございます。
その後、新たな協力者を得まして、またひとつ判明しました。
また、お礼と共に、訊かれてもいないTizitの由来についても記しました。自分でも久しぶりに使う名前でしたので、覚書という体裁です。御笑覧頂けましたら幸いです。
その後、新たな協力者を得まして、またひとつ判明しました。
また、お礼と共に、訊かれてもいないTizitの由来についても記しました。自分でも久しぶりに使う名前でしたので、覚書という体裁です。御笑覧頂けましたら幸いです。
_ 玉青 ― 2012年11月05日 21時30分37秒
○たつきさま
ありがとうございます。晩秋と初冬の交錯する微妙な季節感を楽しみながら、ぽつぽつ文字を並べていくことにします。
○かすてんさま
ではK2Kの如く、西と東で盃を応酬し、その霊妙な相互作用を検証することにしましょう。(^J^)
○Tizitさま
おお!…と驚きつつ、続きはImaginary Beingsにお邪魔させていただくことにします。
ありがとうございます。晩秋と初冬の交錯する微妙な季節感を楽しみながら、ぽつぽつ文字を並べていくことにします。
○かすてんさま
ではK2Kの如く、西と東で盃を応酬し、その霊妙な相互作用を検証することにしましょう。(^J^)
○Tizitさま
おお!…と驚きつつ、続きはImaginary Beingsにお邪魔させていただくことにします。
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こんな本どう考えても売れそうにないよな、という本をたくさん出している変な出版社ですが、書籍文化の正統派として立派なお仕事をされています。国書刊行会が変な出版社だったおかげで私も「茨城の城郭」を出せたわけで本当に感謝しています。国書でなければ出してもらえなかったのではと感じる私たちの様な執筆者さんはたくさんいることでしょう。私たちの本はまぁまぁ売れているのでお返しは出来ているはずですが。