人鳥哀歌 ― 2022年12月11日 17時59分58秒
いささかくたびれました。漢字で書けば「草臥れた」。
実際、作業の合間に草むらに腰を下ろして、しばし無言でいました。
作業というのは、例の鳥インフルの対応です。
先年も豚コレラ(豚熱)で駆り出されましたが、今度は鳥インフルです。白い防疫服の一団がせっせと作業しているニュースをご覧になった方もいらっしゃるでしょうが、私もそこにまじってごそごそやっていたわけです。まあ豚のときとは違って、今回は凄惨な殺生がすでに終わったあとで現場入りしたので、気分的にはだいぶ違いましたが、それでも慣れない力仕事は、老いを迎えつつある身にひどくこたえました。
…と改めて文字にすると、「大して働きもしなかったくせに、大げさな奴だ」と自分でも思いますけれど、私の小さな労苦の向こうには、もっと大変な労苦を味わった人がおり、期せずして災厄に遭った農場関係者がおり、さらには何の咎もなく突如屠られた数十万の鶏がいるのです。そこには生まれてまもない雛たちの姿もあったはずで、傷ましいことこの上ないです。
望むべくんば、人々の労苦に思いをいたすとともに、無辜の鶏たちの菩提を共に弔っていただければと念願します。
(京都檀王法林寺「鳥之供養塔」。Googleマップより。撮影:Hiroto Okada氏)
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