ジョバンニが見た世界…天文掛図の話(その2)2008年05月20日 23時30分24秒

文部省「尋常小学校修身掛図」
寺崎廣業・画、明治39(1906)
(出典:『掛図にみる教育の歴史』、玉川大学教育博物館、平成18)

  ★

まず、掛図を使った授業のイメージの確認です。
上は「掛図を描いた掛図」という珍しい作品例。賢治自身が小学生だった、明治後期の小学校の様子です。
賢治が何をイメージしてあの場面を描いたのか、確かなことは分かりませんが、あるいは自ら体験したこんな風景が脳裏にあったかもしれません。

洋服姿の先生はなかなかハイカラですね。
掛図自体は、意外に小さな感じがします。実際この掛図(リアル掛図の方)は、75×80cmほどで、戦後の掛図よりもだいぶ小ぶりです。教場が狭かったせいもあるでしょう。掛図は一般に時代とともに大型化する傾向があるようです。

『銀河鉄道の夜』の本文には「大きな黒い星座の図」とあり、絵本等でビジュアライズする場合、(後の感覚に従って)途方もなく大きな星図が描かれる場合がありますが、大きさという点では、一定の留保が必要だと思います。

コメント

_ 近藤 ― 2008年05月21日 00時03分50秒

教育掛図の世界は面白いですね。いろいろと探していたら京都大学電子図書館の貴重資料画像のページhttp://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/index.htmlまでやってきました。京都大学所蔵近代教育掛図、金沢大学所蔵近代教育掛図のページも楽しいですが、私が驚いたのは天文成象や司馬江漢銅版画の天球図、京都大学理学部動物学教室所蔵Fauna Japonica. Avesなどが見られるのですね、ここでは。素晴らしい!

_ 玉青 ― 2008年05月21日 21時43分11秒

あはは、ネタばらしはダメですよ(汗)。
それにしても、情報が早い!
(以下、今日の記事につづく…)

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック