星夜の望遠鏡2009年05月08日 21時20分04秒


少し前に「連休中はハーシェル協会の仕事」云々ということを書きましたが、本気で取り掛かったのは5月6日、つまり連休の最終日でした。まあ、毎度のことなので、覚悟はしていました。

で、今日はその一部を先行公開。
協会の出版物よりも先に、自ブログに掲載するのは、ちょっと問題ありですが、サンプルページというか、これによって協会に関心をもたれる方が少しでも増えれば、大いに意味はあるわけで…。

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1837年にボストンで出版された、Duncan Bradford著 The Wonders of the Heavensの口絵(刷面サイズ22×15.5cm)。

ハーシェルの40フィート望遠鏡は、その建造以来、今に至るまで無数に描かれ、多くの本を飾ってきましたが、これは非常に珍しい星空を背景として描かれた姿。夜の冷気と静けさが画面に漂っています。

よく見ると、望遠鏡の真上に描かれているのはBig Dipper(北斗七星)。でも何か変だな…と思ってよくよく考えたら、こんな風に「水をこぼさないよう水平に置かれた柄杓」は日本では拝めませんね(地平線の下にもぐってしまう!)。これは北緯50度以上のイギリスならではの光景でしょう。

実際にハーシェルもこんな星空を仰ぎながら観測に励んでいたのか…と思える絵です。