タルホの匣…第2夜、三日月2010年04月02日 20時35分41秒

稲垣足穂の母校、関西学院のシンボルは三日月。
これは足穂が在学中にデザインし、それが同窓生の間に自然と広まり、後に正式採用されたものです。

…というのを昨日(4月1日)書くとよかったんですが、ちょっとタイミングが合いませんでした。もちろん上のことはウソです。でも、そうとしか思えないほど、タルホっぽいデザインですね。

<タルホの匣>に収めたのは、関学の生協が作った襟章とタイピン。

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 「MOON SHINE」

  Aが竹竿の先へ針金の円い輪をつけた
  何うするの? って問ねると 三日月を取るんだって
  僕は笑ってゐたが 君 驚くじゃないか その竿の先へ 
  とうとう三日月がひっかゝって来たものだ
                         (『一千一秒物語』)

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関学の出版物(http://sci-tech.ksc.kwansei.ac.jp/ja/pdf/scitechbrochure2006.pdf)に、その公式の由来が書かれていました(「学院の沿革」というページを参照)。

  ■進歩と成長を示す三日月の校章■
  1894年に制定された校章。新月がしだいにふくらんで
  満月へと変化していくように、本学に学ぶすべての学生は
  日々進歩と成長をめざしてほしい、という思いが込められ
  ています。さらに月は、自ら光を放つのではなく、太陽の
  光によって輝く存在。神の恵みを受けて人や社会に貢献
  するという、本学のキリスト教主義の建学精神を表現して
  います。


なるほど、理由というのは、いろいろ付けられるものです。
でも、そんな由来が霞むほどのカッコよさ。
おおっぴらに身につけられる関学生がちょっぴりうらやましい。

ともあれ、このマークは彼が入学する前から使われていたので、足穂少年は思春期を三日月とともに日々過ごしていたことになります。