秘密の人体模型、あるいは人体模型の秘密2010年04月17日 19時53分42秒

ゆうべ、かすてんさんが目を留められた“人体ねえさん”(→昨日のコメント参照)。
この1/2スケールの人体模型は、商品名を「エディーJr」といい、わが家ではエディさんと呼んでいます。


エディさんともずいぶん長い付き合いで、今の奥さんと結婚した年か、その翌年ぐらいに買ったので、奥さんと同じぐらいの古馴染みになるわけです。
ある日、嫉妬に狂った奥さんがエディさんを粉々に打ち砕いて…というような事件が起きていたら夢野久作的で面白いんですが、そんなこともなくこれまで円満にやってきました。

エディさんは、窓際に置かれていた時期が長かったせいで、気付いた時には赤い塗料がすっかり退色して、筋肉が真っ白になっていました。改めてみると不思議な感じです。

人体模型なので、こんな風にパカッと頭部が外れます。


頭部の結合がごく緩いために、地震がくるとすぐに<ひとり唐竹割り状態>となって、見る者を驚かせます。

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さて、エディさんは、わりと中性的で理知的な顔立ちをしていますが、彼女の最大の秘密は何か?

その答は上の写真に写っています(エディさんの足元)。
なんと、エディさんは生殖器のパーツを付け替えると男性にもなれるのです。たぶん、男性としてディスプレイする際には、胸から腹にかけての「ふた」を外した状態(内臓露出状態)を想定しているのでしょうが、でもそうでない形態も取りうるので、そうなると一寸猟奇的というか、倒錯的な雰囲気が漂います。

要するに、エディさんは「ねえさん」か「にいさん」か曖昧なひとで、男女の境界を軽々と越える、まさに完璧なアンドロギュヌスと呼びうる存在なのです。

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エディさんは、スペースの都合で現在は物置にしまわれています(今日は撮影のために久しぶりに再会)。改めてこれを聖像として部屋に祀り、その前でヘルメス的な、ネオプラトニズム的な、錬金術的な秘儀をとりおこない、暗黒の知のネットワークに参入し……

今宵の妄想はここまで。