てふてふがいっぱい2010年04月03日 09時34分48秒

昨日、古書検索サイトのAbebooksから来たメルマガを見て、「ウッ」と思いました。
リンク先のページは、まさに満開の桜のごとく、じきに散り果ててしまうでしょうから、足穂の話の途中ですが、先に記事にしておきます。

同サイトでは、販売促進のため、これまでもいろいろな企画を立ててきましたが、今回は蝶に関する古書の特集です。以下、リンク先のページから(適当訳)。

 ◆◇

「今回は、素晴らしい蝶の世界に光を当てることにします。
さらに、そこにガや蚕の仲間も加えて、鱗翅類全体を広く
取り上げてみました。

多くの昆虫は評判が悪く、人の心に恐怖や嫌悪をもたらし
ますが、蝶は多くの人々から愛されています。それは蝶が
姿かたちを変えるせいかもしれません。パッとしない青虫が
繭になり、そこから翼をそなえた見事な姿で現われるという
蝶の誕生過程は、人間のあらゆる苦闘のメタファーとして
使われてきました。

あるいは、蝶が好かれるのは、単純に蝶が美しいという理由
によるのかもしれません。あるものは微妙で地味な、また
あるものは華麗でカラフルな、はっきりとした模様を持って
います。いずれにしても、蝶たちはすべて繊細・優美であり、
蝶のおかげで、表紙にその姿が描かれた、並みはずれて
美しい、そして蒐集の価値のある、うっとりするような書物の
一群が生みだされたのです。」

 ◇◆

25冊の中には純然たる文芸作品や、生き物としての蝶とは無関係の本も含まれているようですが、やはりまっさきに目が行くのは、図鑑や博物誌の類。

ここに挙げられた書物は、いずれも「学問的労作」とか「偉大な書物」と云うには当らないかもしれませんが、まさに<可憐>という言葉が似つかわしい本たち。ビクトリア風、あるいはその余波と思える装丁に身をつつんだ、繊細な表情がいいですね。
題材が蝶だけに、その甘さがいっそう際立ちます。

   ★

花が咲き、蝶が舞う季節。
書斎でくすぶっている人も、せめて蝶の本を手に、心を野に馳せることをお勧めしたい…というのは、完全に自分自身への忠告ですが。