南氷洋に潜行せよ ― 2011年08月17日 20時30分00秒
ことのほか暑いので、今日もふたたび南極に向かいます。
写真は、1984年に英領南極(BAT;British Antarctic Territory)が発行した、南氷洋の生物シリーズ。
寒冷な海の中にも、豊かな生物相と生態系が存在することを教えてくれる切手です。
細密な生物画と、クールな色合いが、涼やかなムードでいいですね。
奇怪な生物たちの協演。
氷の海で永く静かに続くハーモニー。
★
ところで、英領南極とはそもそも何ぞや?
南極大陸は、南極条約(1959)の締結によって、いかなる国の領土でもないと決まったのではなかったっけ…と思って、改めて聞いてみると、イギリスやフランス、オーストラリアなど、以前から領有権を主張していた国々は、南極条約によって自国の主張を「放棄」したわけではなく、その主張を「凍結」しているに過ぎないのだそうです。
何だか分かったような、分からないような話ですが、そんなわけで、今でもせっせと独自の切手を発行したりして、自国の領土たることアピールしているのでしょう。
そんなことを考えると、この切手もあまり涼しげとは思えなくなってきますが、彼ら生物の営みは、その姿かたちの不思議な美しさとともに、人間の都合などお構いなく、これからも続くことでしょう。いや、ぜひ続いてほしいです。
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