月と灯台2011年09月12日 21時42分22秒

今宵は中秋の名月。
そのことを日が暮れるまで忘れていました。

仕事からの帰り道、すっきり晴れた東の空に
やわらかい色合いの真ん丸な月が浮かび、
ビルや高速道路の直線と小気味よい対照を見せていました。
それを見て、初めてお月見のことを思い出しました。

そういえば、今記事を書き続けている明石も、古来月の名所です。
モダニストの足穂も、ときには月照寺あたりから、古典趣味の月を眺めた晩もあったことでしょう。

   ★

写真は1906年9月15日(惜しい!)、ボストンの消印を持つ古絵葉書です。
写っているのは、マサチューセッツ州東部、大西洋のマイノット岩礁にそびえる海上灯台。

灯台の光と月の明かり。波のきらめきと雲の陰影。
まるで夢の中で見る光景のようです。
耳を澄ませば、かすかなさざなみの音も聞こえてきます。

コメント

_ 釈千手と申します ― 2011年09月12日 22時56分08秒

美しい写真をありがとうございます。今夜は寝るのがもったいないぐらい美しい満月ですね。

_ 玉青 ― 2011年09月13日 21時43分14秒

○釈千手さま

こんばんは。
昨夜はまさにルナティックな晩でしたね。
現実と幻想が溶け合い、いろいろなイメージが心にあふれてきました。
今宵も昨夜に負けず、素晴らしい月が窓から眺められます。
今夜は月に見守られて、静かに夢路をたどろうと思います。

_ たつき ― 2011年09月14日 02時06分25秒

月の光というのは本当はないのに、だからこそか魔術的な空間をつくりますね。ところで、あの絵ハガキで、ブラッドベリを思い出してしまいました。生き残りの恐竜が灯台を仲間と間違える話、その話の舞台に似合うような気がします。
この話は(題名忘れてます)萩尾望都がすばらしいマンガにしています。御存知でしょうか。

_ 玉青 ― 2011年09月14日 22時07分09秒

『ウは「宇宙船」のウ』ですね。
…と知ったかぶりをして書きましたが、今検索して初めて知りました。

私は、恥ずかしながら、SF小説についての常識が欠落していて、ブラッドベリも読んだことがありません。でも、ご紹介の「霧笛」(ですよね?)をはじめ、たつきさんのお話や、他の方のレビューを拝見すると、これはしみじみ良い作品集のようですね。

というわけで、この年齢にして、ようやくブラッドベリを読むことにしました。アマゾンから本が届くのが楽しみです。(まずは原作から読んでみます。萩尾望都さんの同名作はその後に。)

素敵な情報をありがとうございました!

_ たつき ― 2011年09月14日 22時50分48秒

申し訳ない、「霧笛」で正解です。
玉青さんのブログの話題にブラッドベリは出ていませんでしたか。すっかり引用されていた気になっていましたが、そんな感じがするほどタルホ・賢治・長野まゆみ・野尻抱影らの世界に雰囲気が似ています。SFというよりFTかもしれませんが、彼を読まないのは人生の損です。「この年齢にして」と書かれますが、これから彼の作品を新鮮な気持ちで読めるなんてかえってうらやましいです。素晴らしい世界が広がることは保証します。

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