ムードン天文台の謎(前編) ― 2013年10月30日 05時46分38秒
足穂といえば、このブログを始めて間もない頃、1枚の絵葉書を彼に手向けたことがあります。
(画像拡大できるようにして再掲)
自分の拙い文章を引用すると、「1876年、パリ近郊に完成したムードン天文台。〔…〕天文台の大ドームをかすめて飛ぶ複葉機。見た瞬間、「タルホだ!」と思いました。星とヒコーキを愛した怪人、足穂への捧げ物」…という次第で記事を書いたのでした。
ここまでは何の変哲もない話。
堂々たる天文台と複葉機の取り合わせは、今見ても普通にカッコいい気がします。
★
その後ムードン天文台の別の絵葉書を手にしました。
ステッキを後ろ手に持った男性、ロングスカートにパラソルのご婦人、セーラー服の男の子、髪を編んだ愛らしい少女…。明るく晴れた休日、天文台の前庭を散策する家族連れは、まるで印象派の絵のようです。
しかし、その微笑ましい気分も束の間、
「あれ?天文ドームは高い建物の屋上にあるんじゃなかったっけ?」
という疑問が頭をかすめました。
皆さんは、上の2枚の絵葉書を脳内で整合させることができますか?
私はかなり長いこと、この点がモヤモヤしていました。
(後編に続く)
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