夏雲2016年07月20日 06時04分53秒

自分は何に季節を感じるのかなあ…と考えたとき、パッと思いつくのは雲です。
何か季節の変化を述べるとき、雲への言及が有意に多い自覚があります。
(前回の記事もそうです。)

春の柔らかい雲
夏の真っ白い雲
秋の突き抜けるように高い雲
冬のちぎれ飛ぶ雲

ぽけーっと空を見上げていると、街中では星はさっぱり見えませんが、雲はよく見えるので、自ずとその印象が残るのでしょう。

   ★

夏の雲を写した幻灯スライドを見つけました。


欄外には「40 The rolling summer clouds (うねる夏雲)」のタイトル。
「40」の番号は、これがセットものの1枚であることを意味しており、おそらく雲をテーマにしたシリーズに含まれていた品でしょう。年代は1910年頃と思います。


こうして見ても何だか分かりませんが、例によって、ディスプレイの光を透かして眺めてみます。


100年前、イギリスの田園地帯から見上げた空と雲。
タイトル通り、モクモクとうねるように盛り上がっているものの、日本の入道雲よりは一寸おとなしめです。でも、緯度の高いイギリスでは、これでも十分「夏雲、奇峰多し」の感を催したのかもしれません。


樹々のシルエット。
夏なのに、ちょっと葉っぱがまばらな木もあります。


夏の雲のさらに頭上には、早くも秋を感じさせる雲が浮かんでおり、これはもう夏も終わりに近い頃の光景なのかもしれません。
…そんな季節の移ろいを感じさせる、良い写真だと思います。