閑語 ― 2021年11月02日 22時01分01秒
選挙は蓋を開けてみないと分からないと書きました。
で、開けてみてどうだったか?
結果はすでにご承知のとおりで、個人的にはあたかも地獄の釜の蓋が開いたかのような気分です。
私の予想では、積極的な野党支持票は伸びないまでも、与党への批判票はもっと多いだろうと思っていました。でも結果はずいぶん違っていて、この点では事前の世論調査の方が正しかったわけです。
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うーむ…と腕組みをしつつ、どういうことかなあと思案しています。
なかなか理解しづらいことですが、世の中に私の理解できないことは無数にあるので、これもその一つに過ぎないといえばそれまでです。
ただ、分からないなりに、後知恵で考えると、今回野党がふるわなかった第一の原因は、野党共闘のロジックないし前提が、そもそも間違っていたことでしょう。
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これまで、旧民主党系の候補と、共産党系の候補(さらに社民党やれいわ)の得票数を足し合わせると、自公の候補を上回る選挙区はたくさんありました。「だから、野党が共闘して候補者を一本化すれば勝てるはず」と思ったのが、そもそも間違いだったのです。たぶん人々の投票行動は、それほど単純ではないのでしょう。
たとえば労働運動の文脈で見ても、連合系の組織が共産党に対して抱く不信感は想像以上のものがあって(逆もまた真なり)、結果として「候補者を一本化しても、得票数は両者の合計にはならない」という事実が、今回明らかになりました。(労組の組織票ばかりでなく、浮動票の投票行動にも、一本化は複雑な影を落としたことでしょう。)
今回の結果――すなわち共闘効果の不発は、それこそ蓋を開けてみるまで分からない、いわば実験的な性格を帯びたものですから、「やっぱり野党はだらしない」とか、執行部の責任問題とか、そういう論にすぐ結びつけなくてもいいのでは?と、私は思います。でも、今後の野党各党のストラテジーに大きな影響を及ぼすことは必定でしょう。
私自身は素朴な大同団結派で、共闘大いに結構と思っていたので、いかにも残念ですが、これが政治というものであり、人間社会の実相なのです。これはひとつ勉強になりました。
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でもひょっとして、投票日がもう一日遅く、神様たちが出雲から帰ってきた後なら、結果も違ったのかなあ…と思ったりもします。
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