巨星墜つ ― 2023年06月01日 20時14分41秒
しばらく体調を崩していました。
といって、寝込んだとか、病院の世話になったとかいうのではないんですが、この間の急な暑さと梅雨入りで、ずっと身体がだるくて、朝もなかなか起きられないし、夜も食事をして風呂に入ると、すぐ床に倒れ込むような感じだったので、ブログの方も自ずと休業状態になっていました。
今からこんなでは、先が思いやられますが、そういう方は他にもいらっしゃると思います。まあ、お互い無理せずやっていきましょう。
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さて、いつもの天文学史のメーリングリストは、ここ2,3日、稀代の碩学 オーウェン・ギンガリッチ氏 の訃と、それを悼む声一色でした。
ギンガリッチ氏は、日本では『誰も読まなかったコペルニクス』(早川書房、2005)の著者として、いちばんよく知られていると思います。
同書カバーに簡単な紹介が載っていたので、書き写しておきます。
「オーウェン・ギンガリッチ Owen Gingerich 1930年生まれ。スミソニアン天文台名誉教授、ハーバード大学天文学・天文学史教授。著書に、本書で描かれたコペルニクスにかかわる書誌的研究の学術的成果をまとめた An Annotated Census of Copernicus’ De Revolutionibus など。」
そのギンガリッチ氏を悼む人々は、一様にその温かい人柄を偲び、惜しみない助言に感謝し、氏が「真のジェントルマン」だったと述べています。各人の文章からは、それがお座なりな言葉ではなく、掛け値なしに真実であることが伝わってきます。(昔、私がメーリングリストでごく初歩的な質問をしたときも、ギンガリッチ氏は真摯に、懇切に答えてくださいました。あとは推して知るべしです。)
(ギンガリッチ氏の肉声 https://www.youtube.com/watch?v=cyXVYsQrSwU)
それにしても、最近の政界の醜状を目にし、耳にするにつけ、「真のジェントルマン」は世に得難いものだなあ…と思いますが、でもそう呼ばれ、敬慕される人が現にいるということに、大きな慰謝と希望を感じます。
ギンガリッチ氏のご冥福を心からお祈りします。
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