裳裾をひるがえす天文学者2009年05月13日 22時47分03秒


画像は1937年発行のシガレットカードです。
タイトルは「Astronomy」。

イギリスのチャーチマンという銘柄に入っていたもので、Howlers(ああ勘違い)という40枚セットの1枚。シリーズ名の通り、カードの裏には滑稽な文章が書かれています。

「ハレー彗星は100年に1回やってくる。うちの学校の女の先生はそれを2回見た。月に人間が住めないことは誰でも知っている。なぜなら月は少しずつ小さくなっていて、いずれ消えてなくなってしまうからだ」…云々。

ところで、この望遠鏡もスゴイですが、こういうコミカルな場面に天文学者が出てくると、何故か異様に古風な服装になるというのが、以前から気になっています。↓も類例。
http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/11/18/959548

19世紀はもちろん、18世紀の人もこんな「ナリ」の人を生で見たことはないはずですが、こういうステロタイプなイメージというのは、いったん固定化してしまうと、非常に強固ですね。

こうしたコスチュームは、天文学が占星術や、さらには錬金術や魔術と未分離だったころの名残なんでしょうが、ルネサンス以前に遡る(と思われる)こうした絵姿が、現代まで延々と生き延びているというのが、まずもって驚きです。(それとも、日本のニンジャのように、「一見古いけれども意外に新しい」イメージなんでしょうか。)

コメント

_ SBOD ― 2009年05月14日 23時47分42秒

In my opinion, that is no doubt a stereotype. It can also be seen in the world-first science fiction movie, A trip to the Moon.

The movie features four astronomers who clothes are no different to astrologist. However the wrong setting may answer the question (asked by the viewers) of who they are. It give the viewers a clean message: those are astronomers, though the image is far from the reality.

For drawing, this one is one of the very best I have seen.

Ota Chou, 'Women Observing the Stars' (hoshi wo miru josei), 1936, 273 x 206 cm, paper, Natl. Museum of Modern Art, Tokyo. (20 cm refractor at Natl. Science Museum in Ueno)

http://home.europa.com/~telscope/otachou.jpg

_ 玉青 ― 2009年05月15日 20時06分20秒

太田聴雨の名作。私も大好きな作品です。
日本の天文ファンにとっては、昔、切手になったことで有名かもしれません。

ところで、この女性たちは、いったい何を観測しているのだろう?という議論を、以前どこかで読んだぞ…と思って検索したら、おなじみの「かすてん」さんの所でした。およよ。自分の記憶力のなさに愕然としました。

http://kasuten.blog81.fc2.com/blog-entry-718.html

'A trip to the Moon'については、改めて記事として取り上げたいと思います。毎度情報提供感謝!

_ SBOD ― 2009年05月15日 21時23分13秒

You are welcome!

And please share more interesting topics with us.

(Thanks again for that! I know it is not easy to write something, collecting information, typing the worlds... time consuming!)

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