神戸、悲運の巨人望遠鏡(1)2010年02月17日 19時34分18秒

さて、神戸旅行の2日目です。
初日の記録を書くのに、だいぶ時間がかかってしまいましたが、2日目は(たぶん)もっとあっさりです。というのは、初日に急坂を歩いたせいで、腰が痛くて2日目はあまり歩けなかったからです。

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2日目は、まずポートアイランドに神戸市立青少年科学館を訪ねました。
同館は、1981年の「ポートピア博」に出展された<神戸館>と<プラネタリウムシアター>を統合して、翌82年にオープンした施設。

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長野まゆみさんの『天体議会』にもプラネタリウムが登場します。
同書では「天象儀館」と書いて「プラネタリウム」と読ませています。
(このことは以前、東日天文館について書いた記事で引用しました。)
http://mononoke.asablo.jp/blog/2006/03/05/277997

でも、現実の神戸のプラネタリウムは、あまり「天象儀館」っぽくない外観ですね。いかにも公共科学館然とした、モダンなシルエット。

まあ、ポートピア自体が<未来>志向のプロジェクトで、ガンダムやイデオンの洗礼を受けた当時の少年たちにとって、なんとなくSFチックなカッコよさの感じられる場所でした(>個人的回想)。

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しかし、ここには古風な天象儀にも匹敵する<或る物>があります。
神戸滞在中にガラクマさんからコメント欄を通じて教えていただいた、驚きの物体。

それは英国クック社製の25センチ屈折望遠鏡という、とんでもない逸物です。
この機材は、大正12(1923)年に、これまでたびたび登場した神戸海洋気象台に設置され、往時は主に太陽観測に使用されました。

その頃、国内にあった大型望遠鏡の東西両横綱といえば、東京天文台の20センチ屈折と、京都花山天文台の18センチ屈折でしたから、神戸に登場したこの望遠鏡は、それらをはるかに超える日本最大の望遠鏡であったわけです。

(この項つづく)

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