『みづいろ』 の世界2010年10月12日 21時12分19秒

昨日の「国立科学博物館」が収められた詩集、小林健二氏の『みづいろ』。
せっかくの機会なので、その繊細な表情を、もうちょっとだけ載せておきます。


《リシウム鉱》と題された詩。
柔らかな紙のテクスチャーと、銀水色の活版印刷が美しい。



奥付に貼られた著者検印。
パラフィン紙の下にぼうっとかすむ彗星の劇場。
銀河からの便り。
本の片隅に、ひっそりと隠れ棲むミニアチュール。


きっと「情報としての本」が地上から消え去った後も、
こういう宝箱のような美しい本は、永く残るんじゃないでしょうか。

コメント

_ nona ― 2010年10月16日 09時52分47秒

小林健二さんて、「クシー君の発明」にあとがきを書かれていた
あの小林健二さんですよね?
銀河通信社の鉱石ラジオの小林健二さんですよね?
詳しくは存じ上げないので…。
先日東京で見た展覧会にも小林健二さんの作品がひとつだけあって。
古風なラジオのなかに土星が青く浮かんで見える、ステキな作品でした。(うっとり…)
この本も、持っているだけで幸せな気分に浸れそうな、
そんなステキが溢れた本ですね。

_ 玉青 ― 2010年10月16日 17時47分51秒

そうそう、「あの」小林健二さんです。
nonaさんは、北原さんの展覧会に行かれたんですね!
私もさほど詳しくは存じ上げないのですが、小林氏の作品には青い土星がしばしば登場します。そしてその青い土星は、いつも何となくボンヤリとしています。氏の作品は、亡き人に捧げるものが多いので(『みづいろ』もそうですね)、あれは喪われた土星、土星の魂なのかもしれません。

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