地震禍、津波禍2021年02月14日 15時52分53秒

コロナ禍の日本をまた地震が襲いました。まさに泣き顔を狙って刺す蜂のようです。
直接被害に遭われた方々に、改めてお見舞いを申し上げます。どうか平穏な日々が早く戻りますように。

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ここで、ゆくりなく10年前を思い出します。
あのときは最大震度7を記録した地点もありましたが、東北地方の多くの市町を襲ったのは最大震度6強の揺れで、今回の地震と同じでした。

地震の揺れで山が崩れ、家屋が倒れ、ライフラインが途絶え…というのも深刻な出来事です。でも、もし10年前のあの日、東北を襲ったのが「地面の揺れ」だけだったら…。もし津波さえなかったら…。もしそうだったら、三陸があれほどの悲劇に見舞われることはなかったし、原発事故もありませんでした。東日本大震災の惨禍は、「地震被害」というよりも、むしろ「津波被害」と呼んだ方が適切なのではありますまいか。

夕べの地震で津波が来なかったのは、あえて不幸中の幸いと言うべきでしょう。(地震を「幸い」というと語弊がありますが、英語でいえばconsolation(慰藉)、不運の中に見出されるわずかな慰めです。あるいは、地震に加えて津波も襲った世界を考えれば、津波のない世界線を歩んだ我々は、まだ幸いだったとも言えます。)

(1908年12月28日、シチリア島のメッシーナを地震と津波が遅い、町は壊滅状態となりました。頑丈な石造りの建物も、地震と津波の前にはまったくなすすべがありませんでした。当時の絵葉書より)

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ときに、地表の津波の恐ろしさもさることながら、地球そのものも、過去に宇宙規模の津波の洗礼を受けたらしいことを、さっき知りました。

それが「近地球超新星(Near-Earth supernova)」という概念で、以下はウィキペディアの受け売りです(LINK)。

それによると、地球近傍で超新星爆発が起こると、その揺れ(重力波)が地球に及ぶだけでなく、大量のガンマ線が潮のごとく押し寄せ、生物の大量絶滅を引き起こす恐れがあるのだとか。現に、4億年前に起きたオルドビス紀の大量絶滅の原因はそれだとする研究者もいる由。

…というふうに話を大きくすると、地震に対する恐怖も多少は相対化されるのではと思いつつ、ちっぽけな人間にとっては、やっぱり地震も津波も恐ろしいものです。

コメント

_ S.U ― 2021年02月15日 07時49分40秒

昔から「地震・雷・火事・オヤジ」といいますが、地震が筆頭というのは頷けます。このリストに、ほかに同格のものとして台風と疫病を加えるべきでしょうか。原発事故も別途加えるべきかもしれません。「オヤジ」の被害は、最近でいうとオリンピックの森前会長のようなことを指すのでしょうか。昨年、ベテルギウスが大きな減光をした時に超新星の被害も注目されて良かったと思います。

 2011年の東日本大震災の時の状況から思ったことですが、建物被害と人身被害は報道されますが、建物内部の商売道具の被害というのはほとんど報道されません。でも、倉庫の被害で大型店が休業したり、機械が壊れて工場の操業が止まったりというのは漏れ聞きました。冷凍庫が長期停電したり、倉庫のワレモノが全部割れたりするとすべてパーです。そういうのは、公的融資や地震保険などあるのでしょうが、それとて社会の財産ですし、勤労者にも影響があるのですが具体的に被害として報道してほしいものと思います。

_ 玉青 ― 2021年02月16日 06時49分21秒

この度の地震では、S.Uさんのお近くもだいぶ揺れたようですね。
公私ともに、いろいろご不便があったことと思います。重ねてお見舞い申し上げます。

前にも書いたかもしれませんが、地震の怖さというのは、人間が定住生活を送るようになり、身辺に物が増えてから、急速にその怖さが増してきた気がします。おそらくヒトが身一つで暮らしていたころは、地震そのものはそんなに怖くなかったでしょう。その意味で、地震災害は一種の「文明災害」ですね。今後も、世の中が高度かつ複雑になればなるほど、地震の被害はむしろ拡大しつづけることでしょう。

ときに、恐ろしい物の代表である「地震、雷、火事、親父」。
あそこに台風と疫病が入ってないのは、確かに不思議ですね。特に台風なんかは、毎年のように襲ってきたはずですけれど、そんなに怖くなかったんでしょうか。どうもこの並びを見ていると、(台風のようにじわじわ来る怖さよりも)「ガツンと急襲してくる恐ろしさ」が強調されているようで、親父の場合も、背後から急にどやしつけられたり、ふいに飛んでくる鉄拳とかを、他の三者並みに恐れていた…ということかもしれませんね。(その意味では鉄砲水とか、それこそ津波なんかも怖ろしいはずですが、この言い回し自体、おそらく都市部で生まれたので、その怖さをあまり実感できてなかったのかも。)

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