岡崎常太郎著 『昆虫七百種』(2)2006年04月08日 07時09分28秒


著者の岡崎氏がカナモジ論者であることは昨日述べました。
この本も昆虫図鑑だというのに、巻頭いきなり「ユケ カナモジ!」という激烈な文章で始まります。

「オー、アイスル カナモジヨ. ジブンワ イマ ナンジオ ヨノナカエ オクリダス. イヤ、ヨノ アラナミノ ナカエ ホーリコムノダ. サダメテ ムジヒナ コトオ スルト オモウデ アロー. ダガ カンガエテ クレ. カワイー コニワ タビオ サセヨト ユーデワ ナイカ.」

どうみても、かなりの畸人という印象は否めません。

節足動物を「フシアシ=ドーブツ」、直翅類を「スグハネ=ルイ」というように、用語にも独特のものがあります。

本文の説明はこんな調子です。

 ●   ●   ●

ミチオシエ〔ハンミョー〕

トンデ ニゲテワ クルリト アトオ ムキ、オイカケルト マタ トンデ ニゲテ クルリト アトオ ムク. チョード ミチオ オシエル ヨーデ アルカラ、ミチオシエ トモ ミチシルベ トモ イワレテ イル.

..........................

コ=マイマイカブリ

コガタノ マイマイカブリデ アル. ヨク マイマイニ アタマオ ツキコンデ クッテ イルノデ マイマイ=カブリト ユー ナマエガ ツイタ.

 ●   ●   ●

岡崎常太郎氏(1880-1977)は、この図鑑が出た昭和5年には、すでに50歳。…というと、完全に戦前の人のような気がするんですが、1977年に亡くなられたとなると、私はかなり長い時間を氏と共有していることになり、不思議な感慨があります。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック