マリアン・ドネリー著 『天文台小史』 ― 2007年01月18日 21時33分55秒
■ Marian Card Donnelly, A SHORT HISTORY OF OBSERVATORIES
University of Oregon, 1973, 164pp
この前、ヤーキス天文台の項で参考資料として挙げた本です。題名のとおり、わりと薄めの本ですが、天文台の歴史を建築学の観点からたどった文献として、きわめて貴重な1冊。
この本も出版されてから30年以上経ちますが、いまだに第一級の基礎資料です。世に望遠鏡の進化を説く本は多くとも、それが活躍した天文台の歴史を説く本は、当時も今もほとんどありません。
例えば、「半球形の天文ドームはいつ生まれたのか?」といった基本的なことも、いざ調べようと思うとなかなか難しいのですが、この本によれば、リッチモンド天文台(英、1769)や、ダンシンク天文台(アイルランド、1785)あたりが最初期の例のようです。
図版入りで紹介されている天文台は、全部で73箇所。
17世紀に建てられたライデン大学天文台から、20世紀のパロマー山天文台まで、時代を追って天文台がどのように発展してきたかが解説されています。挿絵、写真多数収録。
天文台マニアなら、ぜひ手元に置きたい本です。
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