理科室アンソロジー補遺編2007年02月10日 09時39分57秒


ネット作家、田川ミメイさんの公式サイト <mi:media>より 「理科室」

  □  ■  □  ■

子どもの頃、理科室が好きだった。
小学校の授業は、ほとんどが自分のクラスで行われるけれど、
音楽や家庭科や図画工作、そして理科だけは、
その為だけにある教室に行くことになる。
音楽室にはピアノが、家庭科室には調理台があり、
図工室はいつも絵の具の匂いがした。
理科室の片隅には骸骨の模型が置かれ、
壁には人体解剖図が貼られていた。

そういう教室は、どれもひっそりと静まっていて、
授業のない間、この教室の「時」は止まっているのかもしれない、と、
そんなことを思わせるほどに、どこかよそよそしかった。

(…以下続きは http://blog.livedoor.jp/mimei14/archives/50513074.html

  □  ■  □  ■

理科室の静謐な雰囲気を描いた美しいエッセイ。

それ自身が理科室の主人公であるかのように、ひっそりと佇む「静けさ」の気配。
そして、いつもその中心にあった、人体解剖図。
静かな異世界を見つめる、その解剖図の目が、「静けさ」を理科室に送り込んでいるのではないか…

子どもの時代の感性が、透明な文体に盛られています。