『星の世界をゆく』…星景画の時代(その4)2008年12月09日 21時56分41秒

せっかくなので、もう1枚だけ載せておきます。

Mondlandshaft ―「月のある風景」。

ありがちな構図ですが、波立つ湖面に月が影を落とす様子や、雲間を照らす明暗の描写が、なかなかいいですね。前にも書いたように、この本の挿絵(石版画)は、色使いがちょっと重たいのですが、ここではそれが良い効果を上げているようです。

手前の人家を見ると、左側の窓だけポツンと灯がともっているのも、どこか謎めいた感じ。この家の住人は、月明かりを見つめながら、何か書き物でしているんでしょうか。

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ところで、ドイツ語の Mond (月)とフランス語の monde (世界、人々。ル・モンド紙の“モンド”)って、何か関係があるのかな…と思って辞書を引いたんですが、特に関係はないようでした。Mond と英語の moon が同根というのは、すぐに分かりますが、monde の方は、元々「土塁」の意味で、そこから「土塁で守られたもの」=「世界、人々」の意味になったとか。この意味は、英語に入って mound (ピッチャーマウンドの“マウンド”)になったと聞けば、なるほどと思います。

まあ、全然役に立たない知識ですが。