ジョバンニが見た世界…大きな星座の図(10)2013年03月06日 20時04分41秒

(昨日のつづき)

(この星図には5等星まで表現されています。1等星は輝く金色。)

この星図、極彩色の星座絵が描かれているわけでもなく、どちらかと言えば地味な表情ですし、星図史においても傍流なのか、星図の解説書で取り上げられているのを見た記憶がありません。しかし、このいぶし銀のような魅力をたたえた大判星図こそ、19世紀後半のスマートな美意識に裏打ちされた傑作であると、今でも信じています。

(石版刷りの繊細な銀河)

この濃紺の星図をバックにしたら、金色の望遠鏡も、アスパラガスの若緑も、きらきら光る宝石類も、さぞ映えるだろうと思うのですが、ただ一つ残念なのは、ジョバンニが目を奪われた肝心要の星座絵が視認しにくいこと。

(星座名は欄外に表記)

それさえなければ、これを時計屋の店先に飾って何の不都合もないのですが、紆余曲折の末に最有力候補はバッカー天球図に決めて、このシリーズはその到着を待って終結にする予定です。

コメント

_ S.U ― 2013年03月07日 07時13分42秒

この星図は、絵が控えめですっきりしているのが清心な少年の趣味にあったかもしれませんね。絵が淡いのは視力と想像力で補ってもらいましょう。

_ 玉青 ― 2013年03月07日 21時52分49秒

ジョバンニは目が良かった!
これは名案。ええ、それでいきましょう。(^J^)

_ S.U ― 2013年03月08日 07時42分25秒

>ジョバンニは目が良かった
 ジョバンニは活版所では「虫めがね君」でしたね!

_ 玉青 ― 2013年03月08日 22時59分47秒

S.Uさん、ナイス・リマインダー!
そういえば、そろそろ「ジョバンニが見た世界・活版所編」の準備を始めねばならない頃合いでした。

_ S.U ― 2013年03月09日 05時30分00秒

楽しみにお待ちしてますよ~

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