少年ロケット読本 ― 2013年09月16日 08時02分04秒
台風に伴う激しい雨が窓を叩いています。
この雨が上がれば、すっかり秋でしょうか。
この雨が上がれば、すっかり秋でしょうか。
★
『天体議会』とは直接関係ありませんが、でも、なんとなくその世界の空気を感じさせる本を載せます。
モデルロケットの本場といえば、何といってもアメリカでしょうが、アメリカと宇宙空間で覇を競った旧ソ連においても、モデルロケットがなかなか盛んだったらしい…ということが分かる1冊。タイトルはずばり「モデルロケット」。
著者はクロトフ、1979年にモスクワで出版されたものであることが辛うじて分かりますが、あとはチンプンカンプン。とはいえ、水色と白を基調にしたブックデザインには、当時の「東側世界」独特のクールさが感じられます。
中には青刷りの説明図が大量に含まれています。
歯ごたえのありそうな数式や表も多く、これが相当本格的な解説書であることが分かります。想定読者は大学生、あるいは高校生ぐらいのような気もしますが、もっと年下のロケット少年たちも、この「聖典」にくらいついて、必死で咀嚼しようと頑張っていたかもしれません。
理論から実製作まで、この1冊にモデルロケットのすべてが凝縮されている…はずですが、何せロシア語なので、最初から最後までまったく理解できません。
いや、おそらく日本語でも、私には理解できないでしょう。でも人間、理解できないものには、いっそう憧れが募るものです。昔、難しい大人向けの本に羨望のまなざしを向け、「いつか大人になったら、自分もこんな本が読めるようになるんだ」という、虚しい期待を抱いた子供の頃の気分にも通じます。
分からないがゆえに有り難いという点では、まあ、お経のようなものですが、この本は、お経よりはもうちょっとカッコいいです。
コメント
_ S.U ― 2013年09月16日 10時57分44秒
_ 玉青 ― 2013年09月17日 06時08分07秒
S.Uさんのご郷里も大変な状況だったのではないでしょうか。
何はさておき、台風お見舞い申し上げます。
>下から2枚目のグラフ
あ、なるほど。これは伺ってみると、感覚的によく分かりますね。
もうっぺん本を取り出して問題のページを見てみたら、添字の説明はグラフのすぐ上に書かれていました(たぶん)。具体的数値の例については、あるのかないのか、付近にいろいろ表が登場しますが、あまりはっきりしませんでした。
で、調べついでにもういっぺん本をペラペラめくっていたら、改めてその内容に驚いたので、もういっぺん記事にすることにしました。全体で180頁に満たない本ですが、なんだかやたらに中身が濃い感じです。
何はさておき、台風お見舞い申し上げます。
>下から2枚目のグラフ
あ、なるほど。これは伺ってみると、感覚的によく分かりますね。
もうっぺん本を取り出して問題のページを見てみたら、添字の説明はグラフのすぐ上に書かれていました(たぶん)。具体的数値の例については、あるのかないのか、付近にいろいろ表が登場しますが、あまりはっきりしませんでした。
で、調べついでにもういっぺん本をペラペラめくっていたら、改めてその内容に驚いたので、もういっぺん記事にすることにしました。全体で180頁に満たない本ですが、なんだかやたらに中身が濃い感じです。
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テキストが読めないのでさっぱりですが、下から2枚目のグラフだけはわかります。横軸が飛翔中のロケットの速度 V[m/s]、縦軸が質量 m[g]です。まず、燃料質量が減りながら加速して、下段の切り離しでステップ的にストンと質量が減ります。燃料質量の減少が3ステージあるので、3段式ロケットですね。質量 mの下付添字で、Tがついているのが格段の燃料質量、nがモーターケースの質量、0がペイロード質量です。図には数値がないのに、縦軸横軸に単位が入っているので、どこかに近くに各変数の数値の例を記した表があるのかもしれません。
この多段式ロケットの加速の様子は、まだ計算が理解できない年齢のロケット少年にとっても、ぞくぞくするほどの憬れであり、特にツィオルコフスキーを輩出したロシアの少年にとっては大きな誇りでもあったことでしょう。
ロシアの教科書は、数式の導出が懇切で初学者にもたどりやすいものが多い、と聞いたことがあります。その後も数理を学びながら何年もかけて数式を追っていった少年もあったことと思います。これは、現代でも変わらないかもしれません。