続・少年ロケット読本2013年09月17日 05時57分38秒

昨日、紹介したクロトフ著の『モデルロケット』。
コメントをいただいたのを機に、もう一度本棚から取り出して眺めたら、その内容の徹底ぶり、遺漏のなさに再度驚いたので、もういっぺん他のページも併せて載せておきます。もちろん私はロシア語がまったく読めませんが、その豊富な挿絵を見ていて、「うーむ、これは!」と思ったわけです。

まずいちばん最初の方を見たら、こんな図が載っているのを発見。



何と、モデルロケットの図面の引き方から解説が始まっています。
モデルロケット作りは、まず製図から。まあ、言われてみればそうなんでしょうけれど、ちょっと虚を突かれた感じです。

そして、ロケット全般に関する徹底した理論解説については、昨日もその片鱗に触れましたが、実製作に関しても、↓のような図が載っていました。どうやら望みの部品を自作するための、鋳金作業のような工程について解説しているようです。これまた「うーむ、これは!」の類ですね。


他にも、何やら作業用治具の作り方やら、ドリルの穴あけ工程に関する細かい説明やら、いろいろ解説があって、著者は本当にモデルロケットを愛しており、しかもその技術を惜しみなく若い読者に伝えようとしていることが伝わってきます。


この本にはモデルロケットの設計図例がたくさん載っていますが、最後に登場するのが↑の図面。あるいは、これが本書におけるフラッグシップ機なのかもしれません。
鋲打ちのボディがいかにも本格的です。

そして最後に、裏表紙の見返しには、こんなかわいい絵が。
きっとカラーリングの参考に…ということでしょう。


   ★

ソ連のモデルロケット技術、まことに侮りがたし。
こんなもので頭脳や技を鍛えた少年少女が、今でもあの国の宇宙開発を支えているのではないでしょうか。

コメント

_ S.U ― 2013年09月17日 20時11分49秒

あぁ、すばらしいですね。この製図台や工作用具の説明図は感動モノです。

 私の乏しい経験から感じることですが、ロシアの科学者、技術者は、既知の知識を徹底的に利用することにおいては世界随一かもしれません。

 既知の知識をついついバカにして、7割くらいしかわかっていなくても全部わかったことにしておいたり、人への説明をすっ飛ばしたり、確立した方式の発展でできることでも新奇なアイデアを探したりしがちですが、既知のことからどれだけのことが搾り取れるか頑張れるだけ頑張る、突っ込めるだけ突っ込む彼らの姿勢は大いに学ぶべきではないかと思います。
 
 もちろん、その裏側にはあまり評価できない点も無きにしもあらずなのですが、良いところだけ学べばよいので、欠点に触れるのはやめておきましょう。

_ 玉青 ― 2013年09月18日 06時28分40秒

何となくロシア的質朴さを感じるお話ですね。大地に根を張っている感じです。
答をよそから持ってくるのではなしに、自分の内に探す…という姿勢にも通じることと思います。
本来、教育においても、何か新しい問題を前にしたとき、「君たちが今までに習ったことを使って、不完全でもいいから、これを解いてみなさい。そして完全に解くためには何が足りないのかを考えてみなさい」というような問いをかけることが大切なのでしょうけれど、現実には(おそらく)あまりその辺にゆっくり時間がとれないのを残念に思います。

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