閑語のつづき2023年07月07日 09時01分00秒

タイムマシンの実現可能性に関連して、「親殺しのパラドックス」というのがあります。有名な話なので今更ですが、もしタイムマシンで過去に戻って、自分が生まれる前の親を殺したら、いったいどうなるのか?という思考実験です。

自分の親を殺したら、自分も生まれないわけだから、そもそも親殺しを企むことはできないし、親を殺すこともできない。でも、その出来ないはずのことを、あえてやらかしたら、一体どうなるのか?

   ★

先ほど、自分のことを称して「守旧派」と書きました。
でも守旧派とはいっても、例えばツイッター上で、日の丸アイコンを用いたり、プロフィールにことさら「日本を愛しています」と書くことは決してないでしょう。西行だって、利休だって、光悦だって、芭蕉だって、そんなことはしないはずです。それはいかにも愚かしい振る舞いだと思います。

それを愚かしいと感じるのは、どうやらネット上で日の丸を打ち振って「日本大好き」と叫ぶ人々は、往々にして中国や半島の文化とその影響を否定し、その上で本朝の絶対的優位を主張したいらしいからです。それは端的に物を知らない態度だし、いにしえの文化創出者がいちばん驚くのも、たぶんその点でしょう。

   ★

彼らの試みは、一種の「親殺しのパラドックス」です。
不可能という以前に、パラドキシカルで不条理な試みです。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

名前:
メールアドレス:
URL:
コメント:

トラックバック