実験の時間(7)…少女もすなる化学実験2012年09月08日 07時16分40秒

よたよたと本来の記事を続けます。


上は、イングランド中部のダービーシャーにある、ニューミルズ校の化学実験室。
同校のHPには1912年の開校とありますが、実際には1870年代にさかのぼる長い前史があるらしく(LINK)、この絵葉書も1900年ごろのものだと思います。

画面の中では、女の子が男の子と並んで、真剣に化学実験をしています。
少女が化学実験をしても別に何の不思議もありませんが、その一方で、実はちょっと奇矯な想像をめぐらせています。

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私の世代は、中学に入ると、男子は技術科、女子は家庭科という風に分かれて教わりました。つまり、カリキュラムに明瞭な男女差があったわけです。

それと同じように、100年前のイギリスには、ひょっとしたら理科の各分野に、細かい男女の別があったのではないか?…ということを、理科室絵葉書を見ながら想像しています。というのも、絵葉書を見ていると、ある分野の実験風景には少年しか登場せず、また別の分野には少女しか登場しないような気がするからです。

もちろん、そんなにたくさんの絵葉書をチェックしたわけではありませんし、その当否を知るには、絵葉書を見るよりも、イギリス教育史を調べた方が早いと思いますが、まあ、急いで結論を出す必要もないので、ここではのんびり考えてみることにします。

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そんな中にあって、化学ははっきりと「中性的」な分野で、化学実験の場面には少年も少女も等しく登場します。
下の絵葉書は、ノーザンプトン女子校の化学実験室(ここもニューミルズ校とおなじく、11~18歳の生徒が在籍した中等教育機関)。男女共学校ばかりでなく、女子校にも立派な化学実験室があったことが分かります。

(↑元の写真がまずかったのか、右手の壁と窓が手描きで修正されています。)

では、理科における「男性的」な分野は何で、「女性的」な分野は何なのか、それを以下見ていきます。

(この項つづく)