実験の時間(5)…英国編(その2)2012年09月03日 21時59分28秒



表にも裏にも説明がないので、どこの学校かは不明。
厳密にはイギリスかどうかも分からないのですが、まあ十中八九、イギリスのプレパラトリー・スクールの光景でしょう。(preparatory schoolは、英米で意味が違う言葉のひとつで、イギリスでは上流階級の子弟向けの、全寮制私立小学校を意味するらしいです。)
一時流行ったホワイト・ボーダータイプ(白枠付き写真)の絵葉書で、時代的には1920年頃。

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それにしても、こまっしゃくれているというか、何というか…。
日本だと、昔も今も<林檎のような頬っぺたをした、純朴な少年>が好まれると思いますが(今はちょっと違いますかね?)、ここに写っている少年たちは、いずれも冷たいビスク細工のようで、特に右端の少年など、「繊細な感情描写と鋭い警句で知られる某人気作家」と言っても、そのまま通るほど怜悧な風貌です。

…と、つい人物に目が向きますが、ここでは実験にも注目せねばなりません。
上皿天秤、フラスコ、ビーカー、漏斗などを見る限り、何か化学実験の最中のようですが、手前に写っているメトロノームはなんのためでしょうか。各机に置かれた器具に統一感がないのは、ひょっとしたら実際の実験場面ではなくて、一種の演出写真であるせいかもしれません。