ジョバンニが見た世界…大きな星座の図(4)2013年02月10日 10時58分38秒

(本日は2連投です。前回の記事からお読みください。)

星図のパターンとしてよくあるのは、南北両天を左右に並べた形式です。
たとえば↓に掲げたのは、ドイツのゾイッター(Mattheus Seutter 1678-1756)の天球図、「Planisphaerium Coeleste」(1750)。

(アメリカの古地図専門店のページから借用。リンク先の画像をクリックすると、ものすごく大きく拡大できます。http://www.swaen.com/antique-map-of.php?id=20220

サイズは55.7 x 48.7 cmとありますから、ほぼ新聞紙大。それなりに大きいですが、1枚の紙に両天を収めた分、前回述べたことからすると、やや小ぶりになるのはやむを得ません。

もうちょっと大きいものを探すと、たとえば↓のドッペルマイヤー(Johann Gabriel Doppelmayr 1671-1750)の南天図、「Hemisphaerium Coeli Australe」(1730)。

(これまたアメリカの古地図店のサイトから借用。http://www.raremaps.com/gallery/archivedetail/31558/

星図部分の直径だけで約45センチと、なかなか大判です。ドッペルマイヤーの星図帳には、同じ形式の北天図も含まれますから、この2枚を並べて額装すれば、ひとまずジョバンニが見た光景の再現としては十分でしょう。

   ★

しかし、「十分でしょう」と澄ましているだけではダメです。
この企画は、何といっても実際にその場面を再現することを目指しているので、私の手元に現物がないことには話になりません。
しかしながら、上のゾイッター天球図は売価3000ドル。下のドッペルマイヤーの南天図は売却済みのため価格不明ですが、ネット情報を見ると、やっぱりそれぐらいはするようです。南北両天揃えれば、さらにその倍。

ジョバンニと心中するつもりで、思い切ってローンを組めば買えなくもないのでしょうが、その間ずっとお粥を啜って暮らさなければなりません。たとえ天文古玩堂の主でも、そこまではしたくないので、もう少し現実味のあるところで算段することにしました。

(この項さらにつづく)

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