星時計(3)2020年01月05日 08時51分52秒

今回の一連の記事は、我ながらかなりくどい感じがします。
自分でも分かってなかったことを、ひとつひとつ確認しながら書いているからで、どうにもやむをえません。

今日はアンティクース社のノクターナル。


アンティクース社のノクターナルは、付属の解説書を見ても、オリジナルの記載がありませんが、やっぱり16世紀あたりの品にモデルがあるのでしょう。
下の出っ張りは「持ち手」で、使うときはこの向きに立てて使います。

(付属解説書より)

このノクターナルの特徴は、おおぐま座α、β星の「ドゥーベ、メラク」以外に、こぐま座β星の「コカブ」や、カシオペヤ座α星の「シェダル」を使っても時刻が測れるようになっていることです。そのため、真夜中を示すノックス・ポインタの代わりに、3星座に対応した3つのポインタが、羽状に突き出ています。

(上に突き出ているのはおおぐま座、左側はこぐま座用のポインタ。画面の外にカシオペヤ座用のポインタもあります。)

2つの星を使う分、ドゥーベとメラクを目当てにするのが、たぶん最も精度がいいはずですが、観測条件によっては、建物や樹木、あるいは雲に隠れて、思うようにいかない場合もあるので、こういう工夫が求められたのだと思います。

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使用法は、まず3つの目当ての内、どれを使うかを決めて、そのポインタを外周の日付目盛りに合わせます。次いでハンドルを回して、そのエッジを目当ての星に合わせ、時刻盤の数字を読み取る…という操作法は、他のノクターナルと共通です。


昨日と同じく1月4日・午後9時に、おおぐま座で時を測ったと想定して、目盛りを合わせてみました。十二宮の内側の数字が時刻目盛です。当たり前ですが、昨日の画像↓とほとんど同じ配置になります。


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ここまでは特に問題ないでしょう。でも、この品には時刻目盛の内側にさらに目盛があって、1~29の数字が刻まれています。


目盛には小さなつまみが付いていて、「Index Lunae et Aspectuum Plan」と書かれています。当然、これは月齢を意味しているのでしょう。でも、この部分の使い方が、解説書を見てもさっぱり分かりませんでした(負け惜しみじゃありませんが、この解説の英文はかなり怪しげです)。


ハンドルをグルグル回すと、その付け根にある円孔にムーンフェーズが現れ、例えば23の位置に合わせると、確かに下弦の二十三夜月が見えます。

でも、それが星時計とどう関係するのか、そして、つまみに書かれた後半部分「惑星のアスペクト(Aspectuum Plan[etarum?])」は、一体どこに表現されているのか、たぶん占星術と関係するらしい、このパーツの用法は今のところ謎です。

(この項さらにつづく)