記憶の果てに2022年10月26日 06時50分53秒



前回の記事を書いた直後に、舞い込んだ1枚のはがき。
そこには「記憶の果てに」と書かれていました。


八本脚の蝶、遠い呼び声、そして記憶の果てに――。
これは私一人の感傷に過ぎないとはいえ、こうした一連の表象が全体として新たな意味を生じ、私の心に少なからずさざ波を立てたのでした。


差出人は、「秩父こぐま座α」さん。
秩父はまだ訪れたことがなく、まったく聞き覚えのないお名前です。そこに謎めいた興味を覚え、しげしげ眺めると、はがきの隅に時計荘さんのお名前を見出し、ようやく合点がいきました。


時計荘の島津さゆりさんによる、ツイッター上での告知()を下に転記しておきます。

■時計荘展 「記憶の果てに」
 秩父・こぐま座α @cogumazaa にて
 11/11(金)~11/21(月)の金土日月曜のみ営業 11~17時 ※ワンオーダー制
 画像のような新作のほか、人形作家の近未来さん @pygmalion39 のギャラリーカフェにちなんで、人形作品を入れて遊べるジオラマ作品もお持ちします。
 いつでもお立ち寄りください。そして気軽にお声がけいただければ嬉しいです。

   ★

私から見ると遠い秩父の町。
しかし秩父の名に、私はある親しみを感じます。秩父は稲垣足穂の少年時代の思い出と連なっているからです。足穂少年が手元に置いて、日々愛読した鉱物入門書には、鉱物採集の心得として、「東京近郊には先ず秩父がある」の文句があり、足穂はなぜかこのフレーズが脳裏を離れず、皇族「秩父宮」の名を新聞で見ただけで、即座にその鉱物書を連想した…と、彼は『水晶物語』で述懐しています。

秩父は鉱物の郷であり、水晶の郷です。
そこに分け入って、時計荘さんの鉱物作品と出会う場面を想像するだけでも、私にとっては至極興の深いことです。

(遠い記憶の果ての、さらにその向こうに…)

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